暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第16話 『温泉へ。まくらが語る呪いの真相。「目覚くんは無理だと思いますよ」』
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がら、硝子に声をかけた。

「バスの中で読書はやっぱりまずかったね、須々野さん」

 ビクリと、硝子の肩が震えた。

──う……やっぱりストレート過ぎたか……?

 あまり腫れ物に触るような態度もまずいかと、あえて踏み込んでみたのだが……

「……ごめんなさい……」

 返ってきたのは涙声で。
『うっ、やっぱ失敗だったかっ』と悔やむがもう遅い。
こうなったら次々言葉をかけて、何かしらヒットを期待することにした。

「ホント、そんなに気にすることないよ。 洗濯機だってあったし、どうせこれから風呂に入るんだからさ」
「…………」

 反応はなかった。

「大丈夫だって。誰にも言ったりしないからさ。オレにだってそれくらいのデリカシーはあるよ?」
「…………」

 やっぱり、また無言だった。

「……あー。ホントにオレは平気だから。
昔はまくらもよく戻すやつでさー。その後片付けとか、よくオレがやらされてたから慣れたもんだよ」
「!? ちょっ、こらぁ!? 余計なコトばらすなー!!」

 まくらが絡み付いてくるが、ガン無視。
今朝は随分まくらにしてやられたから、ちょっとした仕返しも兼ねていた。

「……そうなんだ?」

 硝子が、ようやく顔を上げた。

──おっ!? まくらの話がヒットしたぞ……まさに一石二鳥だったな。

 内心ほっとしながら、さらにまくらの話を暴露していく。

「そーそー。アイツなんてこんなもんじゃなかったよ? オレの顔面にぶちまけてくれたことすら──」
「ケイスケ〜〜〜!!!! ホントにおばちゃんに、先輩との事バラしてやろうかっ!!?」

 慌てて口を閉じる。

「ふふっ……やっぱり仲いいんだよね、目覚くんとまくらは」

 ようやく硝子が笑顔を見せた。

「別に仲よしじゃなくて。単に腐れ縁。家族なだけだってば」

 硝子の笑顔には安心できたが、その言葉だけはいつも通りしっかり否定しておく。
 計佑のいつも通りの否定に、やっぱりいつも通り硝子が苦笑を浮かべて。

「……あーあ。私、目覚くんには怒ってたのになぁ。こんなにお世話になったら、怒り続けてる訳にはいかないよね……」
「え!? オレ須々野さんになんかやっちゃってた!?」

 一応、自分が鈍いことを自覚してる少年は、また気づかないウチに何かやらかしてたのかと、大いに焦る。

「……何もやってないよ。……私には、ね……やったのは、まくらに対して、だよ」

 硝子が途中で一瞬声を落としながら、そんな事を言ってきた。

「……え?  まくらに……?」

 チラリとまくらと顔を見合わせる。まくらもキョトンとした顔だ。

「そう。まくらがここにいないから、代わりに私が怒っ
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