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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第15話 『まくらとの喧嘩、変わり始める関係。「お前、どんだけ失礼なんだよ」』
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まくらに対して謝らなければいけない内容はなかったと思う。
雪姫とのどうこうをまくらに謝るのは筋違いだし、
まくらが爆発してしまった『事故』という単語の事だって、まくらが曲解した挙句、逆上しただけなのだから。
それでも、まくらとの関係が修復できるなら。そんな思いで頭をさげようとして、
「ごめんなさいっ!!」
先にまくらが謝ってきた。機先を制されて、計佑が固まる。
そしてまくらは、そっぽを向きながらも言葉を継いでくる。
「落ち着いて考えてみたら……私の言い分は随分勝手だったと思う。
……ホントにごめん……許してくれる、計佑?」
言い切ってから、そっと上目遣いで見つめてくるまくらの姿に、計佑の心は一気に軽くなっていった。
固まっていた口も動き出す。
「……じゃあ……キライっていうのは?」
おずおずと質問する計佑に、まくらが微笑する。
「あんなケンカくらいで嫌うわけないでしょ、計佑のコト……何年一緒にいると思ってんの?」
その言葉で、計佑の心は完全に復調した。
──なんだよ……心配なんていらなかったんじゃん……! そうだよ、何年家族やってきたんだよ。
本気でケンカしたっていつだって仲直りしてきたんだ。
コイツとの関係が、あんなケンカくらいで終わるワケないんだよっ……!!
むしろ、反動で一気にハイテンションになってしまう。
「……全くっ!! そーだよっ、あの言い草はあんまりだろーが!? なんだよ、スーパーえっちマンって!!」
まくらの頭に手を伸ばし、わしゃわしゃとかき混ぜる。
──今度は跳ね除けられない事に、心底安心しながら。
「…………」
まくらも負い目があるせいか、今はくすぐったそうな顔をしてじっと受け入れていて──
けれど、計佑がいつまでも続けるものだから、
「……いつまでやってんだよっ!!」
「おふっ!」
ついには、ドンッと突き飛ばしてくる。
傷に響いて結構痛かったのだが、それでもすぐに、計佑は笑い出した。まくらもつられて笑い出す。
通りがかった女中さんが、不審そうな顔をしてこちらを見ていたりしたけれど──それに気付いても、計佑は笑いをとめられないのだった。
─────────────────────────────────
ひとしきり笑って、落ち着いて。
今はまくらの手伝うという申し入れを受け入れて、二人で庭掃除を再開していた。
もし人に見られたら面倒だからと、最初はまくらの手伝いを断ろうとした。
けれど、これもまくらからの歩み寄りの一環だろうと気づいたので、結局受け入れたのだった。
「いや……でもさ、正直ちょっと本気で焦ったよ」
「え? なにが?」
「だってさ、じ──
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