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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第15話 『まくらとの喧嘩、変わり始める関係。「お前、どんだけ失礼なんだよ」』
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──』

……なのに、昼間の『事故』と、その後の雪姫の言葉も思い出してしまった。

──違う違う違うぅぅぅう!! あれは事故で、キスなんかじゃないんだァああ!!!!

 あの時はまだ、雪姫の気持ちをちゃんと理解していなかった。
 てっきり、『好ましいと思える人との事故だし、そこまで気にしないよ』という意味くらいに思っていた。
けれど、雪姫の真意を知ってしまった今思い返してしまうと、初心すぎる少年は恥ずかしさでのたうち回るしかなかった。
 堤防に突っ伏して、タンッ! タンッ! と何度も拳を叩きつける。
当然、そんな事をしていれば──

「……なにやってんの、計佑……?」

──眠っていた人物も、目を覚ます。

「……なっ……!! 起きてたのかよ!?」
「……起きてたんじゃなくて、起こされたんだよ……」

 細めた目で睨んでくるまくらが、冷たい声で尋ねてくる。、

「……で? 何の用なの……?」

 計佑は身体を起こしながら空咳をつく。そして何事もなかったかのように足元のリュックを拾い上げた。

「食いもん持ってきてやったんだよ。菓子ばっかだけどな」

 堤防にバッグを乗せて、中を漁り始める計佑に、

「へー……白井先輩とのイチャイチャを反芻して悶えるために来たのかと思った」

 まくらからの、言葉の鈍器が飛んできた。

「ごふっ!! ……おまっ! なんでそれをっ!! ……あ」
「ふん……やっぱりそうだったんだ」

 まくらの目が、さらに細くなった。
 カマをかけられたことに気づいたが、もう後の祭りだ。
逆切れで誤魔化したくもなったが、どうもまくらも機嫌が悪そうなのでそれは思いとどまる。

──まあ、2日続けて晩飯抜きにするところだったんだもんな……フキゲンにもなるか……

 そんな風に考えて、黙って菓子を差し出す。けれど、まくらは受け取ろうとしない。

「……? おい、どうしたんだよ。腹へってないのか?」
「……今は食欲ない。そこに置いといて」
「…………?」

 まくらが食欲ないなんて滅多にないことで、ちょっと気にはなったが、言われたままに堤防上に置く。

「…………」
「…………」

 沈黙が続いてしまう。
 本格的にまくらの様子がおかしいと感じた計佑が、まくらの額へと手を伸ばした。

「おい、どうした? なんかホントに身体の調子でも──」
「触らないで!!」

 パンッ──と手を払いのけられた。

──……え……

 一瞬、何が起きたのかわからなかった。
 まくらへの接触をそんな風に拒絶されたことなんて、今までなかったからだ。
 初めての事態に硬直する計佑に、まくらからの言葉が飛んだ。

「聞いてたよ。えっちマンじゃなくて
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