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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第15話 『まくらとの喧嘩、変わり始める関係。「お前、どんだけ失礼なんだよ」』
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けれどこれまで過ごしてきた感じ、そうポンポンとそんな人間が現れる可能性はかなり低そうだ。

──やっぱり試してみるしかないかな……

 美月芳夏のことを更に詳しく調べるにしても、両親の助けなどないとこの先は厳しいだろう。
──もういい加減、両親には全部話して。
──そして自分は自分で、まくらを連れて霊能者? 探しでも始めてみる。

 そう、結論を出した。

──よしっ!!

 堤防から腰を上げた計佑が、伸びをする。
 なんだかんだで一人で秘密を抱え込み続けるのは、少年にとっても結構なストレスだった。
それを両親に明かしてしまおうと決めたことで、少年の心中は幾分軽くなったのだった。

「う〜……ん……」

 まくらが寝返りをうった。

「計佑の……バカ……」

 悪態までついてきた。
 カチンとくる。誰のために奔走して、今も頭を悩ませていたと思ってるのか──
感謝されたくてやっている訳ではないが、バカ呼ばわりとは、あんまりな礼だった。
もうたたき起こしてやろうと手を伸ばしかけて──まくらが口をむにゅむにゅしてるのが目に留まり、ふと手を止めた。

──そう言えば……

 療養所跡を飛び出す直前に思いついたアイディアの事を思い出した。

──"最後は恋人のキスで目が覚めるんだよ" "眠り姫とおんなじだよね"──

──そうだ、こいつに好きな男なんているのかってトコまでは考えてたんだよな……

 あれからまくらと二人きりになる機会もなくて、結局聞けていなかった。
 恋バナなんて、今まで一度もまくらとしたことはない。
正直、気恥ずかしくてたまらないが、回復の可能性があるのなら避ける訳にもいかないだろう。

──……ん? でも待てよ……? キスっていっても……この場合どっちのまくらと試すべきなんだ?

 病院に眠ってる方の本体なら、誰でも可能だ。でも、今自分の目の前にいるまくら相手となると……

──……オレしかいない!?

 現状では、計佑しか可能な人間はいなかった。

──いやいやっ……落ち着け。普通に考えるなら、キスすべきは本体のほうのハズだ……だからオレである必要はないんだっ……!!

 そうだ。自分とまくらがキスなんて。ありえない。家族みたいなものなのだから。
キスっていうのは、やはり好きな相手とであって。自分の場合だったら……
──そこで、計佑の脳裏に浮かんだのは。長くて綺麗な黒髪を翻して、いつも自分の目を惹きつける──

──ちがぁあああああう!!!!

 ブンブンと頭を振って、頭に浮かんだ少女の姿を追い払う。
今は、そういうのは保留なのだ、まず考えるべきはまくらのことで──

『私は嬉しいから』『相手が計佑くんだったことには何の不満も
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