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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第13話 『島編第2話・すごく敏感な雪姫先輩「こっちをちゃんと見て……」』
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まくらに質問を重ねたところで、雪姫の弾んだ声が聞こえた。何やら本を手にして計佑の元へとやって来て。

「知ってる? この昔話。じゃんっ!! "寝宮の花嫁"。 寝宮っていうのはこのへんの昔の呼び方なんだよ」
「それってどういう話なんですか?」

雪姫が本をめくりながら説明を始める。

「昔、美しい女の人がいて、ある男の人と恋をしていたの。
しかし二人はスレ違い離れ離れになってしまった……悲しみに暮れた女の人はある山姥に相談に行ったの。
『もう一度あの人に会わせてください』と……
だけど女の人は悪い山姥に騙されて、トゲのたくさん生えた蛇に噛まれて深い眠りに落ちてしまった……
けど最後は恋人のキスで目が覚めるんだよ」

まくらが「なんかいい話ダナー」と、うんうん頷いている。
計佑からしたら特に興味深い話でもなかったが、少し気になる事はあった。

「それって……」
「眠り姫とおんなじだよね」

計佑の言いたい事を察したのか、雪姫が先回りした。

──そういえば……病院の研究室にあったな……眠り姫の本。何かしら関係あるんだろうか……まくらの症状と。

そんな事を考えるが、その先には考えがいかなかった計佑に、雪姫の言葉が続いた。

「この寝宮の花嫁も、眠り姫も白雪姫も……物語のお姫様は、いつも王子様のキスを待っているよね」

雪姫が赤い顔をして計佑の顔を見つめてきた。雪姫の言葉とその顔に、計佑もまた顔が熱くなる。
資料室での『事故』を思い出したからだ。
雪姫も同じ事を思い出しているだろうとも、鈍い少年には珍しい事だが察してもいた。
けれど──今の計佑は、ただ雪姫の事だけを考えていた訳はなかった。

──眠っている姫はキスで目覚める……だったらまさか、キスをすればまくらは起きるとか……!?

雪姫の言葉から、1つのアイディアを思いついていた。

──いやいやいやっ……そんなコト……そんなファンタジーな方法で?
……といっても今のまくら自身がとんでもファンタジーな存在なんだし。試す価値はあるのか……?

まくらを見る。キョトンとした顔で見つめ返された。
すぐに視線を外して俯き、思案に耽る。

──試すっていっても……物語をマネするんなら、相手は王子様とかってコトになるよな。
……こいつに付き合ってるヤツはいないハズだから、好きなヤツってことになるけど……

授業・部活・目覚の家にいる。
この三種でまくらの活動は殆ど占められている。
まくらから色恋の話など聞いたことはなかったし、まくらに付き合っている男がいるとは考えにくかった。

──しかしコイツに好きな男だと……?
まあ、もう高1なんだし、いたっておか
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