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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第12話『島編第1話 "テレパシー"の真意……?「事故だもん! ノーカウントだからねっ!?」』
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るのは仕方なかった。
写真からは見る影もない、ボロボロ状態の廃屋だったからだ。
「ここが、あの写真の人がいたっていう療養所ですか……」
雪姫に話しかけたのだが、まくらが返事を寄越してきた。
「すごいボロ病院だねぇ……オバケとか出そうな感じ」
──お前が言うな。あと病院でもねーし。
とは雪姫の手前ツッコめない計佑だが、正直同感な雰囲気だった。
しかしここに来た目的は建物ではなく、残っているかもしれない資料のほうだ。
建物がボロくても構いはしないのだが、あまりの荒れ様にちょっと心配にはなる。
「中入っても崩れたりはしねーかな……? とりあえず周りを見て回ったりしたほうが……」
<b>「ダメよっ!!」</b>
雪姫の一喝に、ビクリと振り返る。
<b>「そんな悠長なコトしてたら、日が暮れちゃうでしょっ!? 」</b>
ズンズンと入り口まで歩いて行くと、雪姫はドアのカギを開いて。
ギギ……と押し開くと、中の様子を見てピキリと固まった。やがてギギっと振り返ってくると、
<i>「……はっ早く! 明るいうちに見て回りましょ……」</i>
……ガタガタと震え始めていた。
「せっ……先輩? 大丈夫ですか? なんかえらく震えて……」
<i>「震え!? 何言ってるのっ。そんなワケないでしょっ!!
ほら急ご……夕方までには絶対 "ここ" を出なきゃなんだからねっ」</i>
確かに、夕方には島自体出る予定だ。
けれど、今の雪姫の言葉の感じは、"ここ" とは島ではなく、この建物を指していたような。
──もしかして先輩……恐いのダメなのか……?
『夜の海なんて渡りたくない』『こんな廃屋、日が暮れるまでには絶対出なければ』
そんな雪姫の意志表示から計佑が推察している内に、雪姫は震えながらも、一人で中へと踏み入っていく。
無理を言って道案内してもらった上に、怖がっているのを更にお化け屋敷モドキに連れ込む訳にはいかない。
外で待ってて欲しいと伝えようとしたところに、まくらが耳打ちしてきた。
「ほらっチャンスだよ!! 計佑っ」
「……? チャンスって何だ?」
意味が分からず尋ねると、
「……なんでこれでわからないの……?」
逆に不思議そうな顔をしてまくらが聞き返してくる。そしてまくらは、はぁっとわざとらしくため息をつくと、
「白井先輩は超コワがってる。
ここで計佑が頼れるトコロ見せる。
『わあっ計佑くんカッコイイ♪ 好きっ♪』
……これでわかった?」
まくらが小馬鹿にしたように上から見下ろしてくるが、この時の計佑は何も言い返せずに固まってしまっていた。
──『好き』……
昨夜の雪姫の言葉を思い出してしまったから
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