暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第11話『雪姫の添い寝と次の朝、一方硝子は……「まくらには内緒にしておくから」』
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
のに未だそんな事を考える少年は、慌てて起き上がって。
廊下に出ると──ついてることに、ちょうど硝子が歩いてきた。

「あっ!! 須々野さん。おはよう……昨夜の「まくらには内緒にしておくから」

途中でセリフを被せられた。
早口で、硝子にしては随分と低い声だったので、ちょっと驚いたけれど、
一言だけ言い捨てた硝子がそのまま通りすぎようとしたので、慌てて引き止める。

「やっ、ちょっと待って待って!! だから誤解なんだってば」

硝子が、ゆっくりと振り返ってくる。

「……誤解って何が?
目覚くんのケガに責任を感じた白井先輩が、一晩中そばについててくれた。
……なにか間違ってる?
「……う……違わないけど」

初めて見る硝子の冷たい態度に、思わずたじろいでしまう。

「そしてまくらには知られたくないだろうと思ったんだけど、それも間違ってる?」
「……っ……いや間違っては……でもっなんでまくら限定なんだよ?
誰であっても困るよ。変なふうに話が広まったりしたら、先輩だって迷惑だ」

最後の言葉のところで、硝子の顔が更に暗くなった気がしたけれど──

「……ごめん目覚くん。ちょっと意地悪だったね」

やっと、硝子が笑ってくれた。
……困ったような、苦笑だったけど。

「大丈夫。目覚くんの言いたいことはわかってるつもりだから……安心して」
「あ、うん……わかってくれたならいいんだ。
須々野さんもありがとう。昨夜、俺のこと心配して見にきてくれたんだよね?」
「……そのせいで、お邪魔しちゃったみたいだけどね」

硝子がまたイヤミを口にする。けれど、今度は一応笑顔だった。

「だからー!! 勘弁してってば」

硝子が何故暗い顔をしていたのか──深くは考えないのが、この少年だった。

─────────────────────────────────

硝子と別れた後、洗面所へ向かう途中で茂武市、カリナとも出会った。
茂武市には軽く茶化され、
カリナには「まあ坊やにしてはよく頑張った!!」と肩を叩かれたりして。
そして二人とも別れ、また洗面所へ向かい出したところで──今度は雪姫とバッタリ出会ってしまった。

「「……あ……」」

ハモってしまい、二人で同時に俯く。

<i>「おっおはよう……どっかいくの? 」</i>

震える声で、雪姫が先に話しかけてきた。

「いや、あのっ顔を洗いに……」
<i>「あ、ああっ、そっか」</i>

やっぱりまだ、雪姫の声は震えていた。

「……っ……計佑くんっ……戻ったら……私ご飯作ったから……食べてくれる……かな?」

──せっ、先輩の手料理!?

<i>「は……はい!! スグ行きます!!」<
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ