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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第11話『雪姫の添い寝と次の朝、一方硝子は……「まくらには内緒にしておくから」』
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握っている手を見て、ほわっとする。
夢で魘されたりするかもという心配も、杞憂に終わった──この手のおかげだろう。
ふわふわとした気分のまま、
軽く爪を立ててみたり、逆に計佑の爪先に自分の指を押し付けてみたり。
そんな風にひとしきり計佑の手と戯れると、今度は計佑の横顔にも注目した。
朝日の下で、その顔には絆創膏や包帯が目立っていて──改めて申し訳なくなるけれど、最高に愛しい顔でもあった。
そっと手を伸ばすと、絆創膏が貼られていない方の頬にふわりと触れる。すりすりと、軽く撫でてみた。

「……ん……」

計佑が寝返りをうったので、慌てて手を引っ込める。
寝返りをうった計佑は今、雪姫と向き合う形になっていた。

「…………」

雪姫はそうっと、計佑の手から自分の手を離した。

「…………」

両手を計佑の頬に、ゆっくりと添えてみた。

「…………」

そっと顔を近づけて、鼻と鼻が触れ合いそうな距離で──動きを止めた。

──本当……こんなに男の子の事を好きになっちゃうなんて、全然思わなかったなぁ……

以前の自分からは、まるで想像出来なかった。
男には苦手意識があって、いつも壁を築いていた自分。
それが、この男の子と知り合ってからは、あっという間に崩れていって。
今では距離をとるどころか、いくらでもくっついていたくなってしまって。

──ドキドキさせられる事もあったけど、
基本的にはカワイイ……そばにいて安心出来る男の子だったのに。

──いや、それは今も変わっていない。
もっとドキドキして、でも今まで以上に安心できて。
可愛くて、なのに格好よくて、尊敬も出来て。
そして、もっともっと、ずっと傍にいたくなった──それだけだ。

「…………」

もう、このまま唇を捧げてしまいたい気持ちもあったけれど。
計佑の気持ちがわからない以上、そんな勝手な事はやっぱり出来ない。
名残惜しかったけれど手を離して立ち上がると、障子をそっと閉めて、雪姫は朝食の準備に向かった。

─────────────────────────────────

結局、昨夜の計佑は朝方まで眠れなかった。
雪姫の手を握ったまま色々考えていたら──またドキドキしてきたりで、なかなか寝付けなかったのだ。
そんな調子で、漸くまた眠りにつけて、そして今、短い睡眠から目を覚ますと、もう雪姫はいなかった。
……何故か残念な気もしたけれど、それに関してはすぐに考えるのをやめた。
ほっとした気持ちもあったからだ。あのまま、茂武市やカリナに発見でもされたら、またややこしくなってしまう。

──……そうだ、須々野さんの誤解を解かないと!

昨夜の事を思い出し、誤解ではない
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