第四章 炎
第7話 最後のデート
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士道「あー……」
小さくうなりながら手で額をおさえる。
結局、昨日はあのまま気を失ってしまったのち、寝込んでしまい、目覚めたのは〈フラクシナス〉の医務室だったのである。
神無月『大丈夫ですか、士道くん』
士道「はい、なんとか」
と、インカムから神無月の声が聞こえてくる。
当然ではあるが今日は琴里が指揮をとるわけにもいかないため、神無月が司令代理になっていた。
一方『ま、せいぜい頑張れよ』
と、インカムから一方通行の声が聞こえてきた。
士道「……何で一方通行までそっちにいるんだよ?」
一方『普通に考えればそうなるだろォが』
士道「まあ、いいけどさ」
神無月『プランは頭に入ってますね?こちらからもサポートを入れます。大丈夫、あなたは複数の精霊をデレさせた稀代の救世プレイボーイです。自身を持ってください』
士道「……はぁ」
神無月の激励 (?)の言葉に苦笑する。なんというか、あまり嬉しくない称号だった。
と、今度はインカムから、令音の抑揚のない声が聞こえてきた。
令音『琴里を地上に送ったそうだ。もうすぐそちらに着くだろう。頼んだよ、シン』
士道「……っ、は、はい」
と、大きく深呼吸して、琴里を待つ。
すると、可愛らしいフリルに飾られた半袖のブラウスに、裾の短い焦げ茶色のオーバーオールという出で立ちで、手には水着が入ったと思しき鞄を提げている。
そして、長い髪を2つに括るのは使い込んだ黒のリボンだった。
士道「お、おう、琴里」
琴里「ん、待たせたわね」
そして、しばしの沈黙が流れる。
令音『シン、何を黙っているんだい。まずはーー』
と、それとほぼ同時に琴里がため息をしながら、言ってきた。
琴里「おめかしした女の子と会って一言もなし?いの一番に教えたと思ったけれど?」
士道「!あ、あぁ……おめかし……してくれたんだな」
琴里「……ふん、まあね。一応はデートって形式を取っているんだもの。……まあ、褒められるのは嫌な気、しないし」
士道「え?」
琴里「なんでもないわ。さぁ……私たちの戦争を始めましょう」
士道「お、おう」
聞き覚えのあるフレーズ。士道はゴクリとのどを鳴らしながらうなずいた、
と、
「うむ!」
「は、はい……っ」
『やー、楽しみだねー』
「そうですね!」
琴里の返事のあとに余計な声が4つ続いて士道は首を傾げた。
振り向くと、自分の身体が硬直した。なぜなら、
士道「十香、四糸乃、佐天さん、それによしのん……ッ!?なんでこんなところに……」
十香「ぬ?何を言っているのだ?これからオーシャンパークとかやらに行くのではないか
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