第四章 炎
第6話 五年前
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他の場所とは異なり、そこにあったはずの家々が燃やし尽くされ、更地のようになってしまった場所に、見覚えのあるしるえを見つけた。
士道「琴里……」
それは霊装を纏った琴里だった。
佐天「ならあれは……士道さん?」
そして、
士道・佐天「「え?」」
士道と佐天は同時に小さい声を発した。
それは琴里と士道の前に、『何か』が存在していた。
恐らく普通の人間ならば、ただ画面に走ったノイズか何かとしか思うまい。
だが、違う。あれは。あの影は……
士道「……ッ」
瞬間、士道は両手で頭を押さえた。それを見た瞬間、激痛が起こったのだ。
佐天もそれをみた瞬間、心臓の鼓動が早くなっていった。その音は胸に手を当てなくても分かるぐらい自分の中で大きくなっていた。
神無月「士道くん?どうかしました?」
神無月が問うてくるが士道は答えない。
佐天「あれは……誰……?」
神無月「誰って、どれのことですか?」
士道「これです……琴里と、俺の前にいる……」
神無月が首を捻る。その姿を見て、士道は初めて気がついた。
ーーなぜ、自分は、このノイズにしか見えない影を、人だと。
ーー佐天もなぜ人だと思ったのだろう。
士道「ぁ……」
それを考えると士道を襲う頭痛ははげしさを増し……士道は気を失ってしまった。
佐天は士道が倒れていることに気づかずに、ただその場に立ち尽くしているだけだった。
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