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東方魔法録〜Witches fell in love with him.
43 勧誘〜Dreams really do come true.
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を掛けたのかしら?はたまたここら一帯の妖怪に片っ端から声を掛けているだけなのかしら?しかも肝心の幻想郷とやらがどんな場所が具体的な説明が無い。さっきまでは人間がこれから私達を脅かす話に過ぎない。妖しい。けど、私は揺れていた。
「…詳しく聞かせなさい」
私が興味を示したことが嬉しいのか、八雲紫は再び嗤い口元を扇子で隠した。
「そもそも、私は魔法使いが全滅したって言う噂を聞いてこの辺りに来たの」
マロウのことね…。私はその事で後悔と責任を感じている。一時の気の迷いと気紛れとは言え大勢の魔法使いを生け贄にすることに加担してしまった。今更どうにかなるわけじゃない。だからといって全てを忘れてのうのうと生きるほど、私は落ちぶれてはいない。せいぜい、忘れないことと懺悔することしかできない。
「全滅したのは流石に尾ひれが付きすぎてたけど、あれじゃ魔法使いの世界は壊滅したもどうぜんね」
八雲紫は意味ありげな目配せで私をみつめた。
「それに来てみれば人狼も皆殺し状態じゃない。調べると貴方達が中心にいたわけ」
私ったら名探偵♪と八雲紫は嘲ながら言った。
「…喧嘩売ってるの?」
「落ち着きなさいな。私は貴方達を咎めることはしないし権利もない。警察じゃないのよ。私はその上で貴方達に幻想郷に来て欲しいの。幻想郷は全てを受け入れるわ」
それは…とても都合のいいことね。罪すら受けるなんて。
でも、長い目で見ればそこに行くしかないのも事実。このままこの地に残れば晒されるわね。表世界にも、日光にも。人間の血も確保するのが難しくなるでしょう。
一方、私にはわざわざこの地に残る理由もない。ここよりも条件が良さそうな場所があるなら、そっちに住む方がいいし、妥協で行くのも悪くない。
「貴女の判断基準は不明だけど…まあ、いいわ。最後の質問よ。幻想郷ってどんなところかしら?」
待ってましたと言わんばかりに八雲紫は破顔した。
「百聞は一見に如かず。一名様ご案内〜♪」
「え……?きゃあぁぁあ!」
私は突然、大量の目玉がある気味悪い空間に放り込まれた。叫び声は屋敷の中には聞こえなかったと思う。
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……………………………………
…………………………………
「よおこそ、幻想郷へ」
「綺麗………………」
気味悪い空間を潜り抜けると、そこには幻想的な風景が広がっていた。
まるでタイムスリップしたような近代的な建物が一切見受けられない自然。不覚にも見とれてしまった。
聖水の如く清らかな川。燃えるような夕焼け。澄んだ空気。季節のせいか残念ながら枯れているが、それでも緑の豊かさが想像できる。なんと美しい光景だろう。こんな風景は何年ぶりかしら。
…あれ?今、私おかしなことを
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