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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―我/汝、悪である― B
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一輝は湖札と同化してから何の容赦も、温存もなく力を使っていった。
常に全力の一撃を討ち続け、体力がなくなれば妖力、魔力、霊力を檻の中からかりてひたすら打ち続ける。
『狂気の様な攻め方をするな、外道!』
「うっせえ、絶対悪!これでいいんだよ・・・!」
一輝はそう言いながら、ついに蚩尤と天逆海の神気を燃料にしだした。
別に、この場で使いつくしたとしても檻の中の魂が消滅するというわけではない。むしろ、魂だけとなっている存在なのだから少しすれば回復する。自分の呪力を使い尽くせば話は別だが、後に必要となるので呪力は使っていない。
『兄さん、私のも!』
「・・・悪い、借りるぞ!」
そして、最後に湖札の呪力まで借りて最大の一撃を討ち続け・・・自分の呪力を一部使い、ようやくアジ=ダカーハの心臓を、剥き出しにした。
「はぁ、はぁ・・・どうだ、絶対悪。弱点がむき出しだぜ?」
『フン、予想以上にやりおる。まさか、神殺しである私が、神霊にここまでやられるとは!』
《俺が用意したもの、一つ目。アジ=ダカーハを抑え、同時に対抗できる存在。神霊としての主催者権限に人間としての対抗手段。》
それが、鬼道という存在。人間として生まれ、同時に神霊として生まれた矛盾を使えば、原典候補者でなくとも対抗手段となることができる。
さらには、一輝のいた世界にしか存在しない神霊の存在と予定外であった湖札の・・・歪みから得た主催者権限。これによって、ゲームクリアはほぼ不可能となる。
「悪いけど、俺は人間をやめたつもりはないんだよ。・・・神霊の部分はどうにかする手段があるのかもしれないが、人間のと同時に消しされるのかな?」
『確かに、それは難しい。が・・・もうまともに動けそうにもないな?』
アジ=ダカーハの言っていることは事実だ。一輝はもう、自分の体を動かすだけの余力が存在しない。妖怪、魔物、霊獣、神からかりた力は、切り札を切るのに必要なぬらりひょんの力が十割と、一輝自身の呪力が四割。これ以外すべて使いつくしている。
だが・・・まだ使っていない要素が、残っている。
「我、第六十三代鬼道の名のもとに、汝らの封印を解く。力をよこせ、スィミ、ヴァチ!」
「二体分、耐えられるかのう!』
「・・・・・・・・・・・・』
封印を解除したのは、一輝に対して有効的な歪みのスィミと、一輝と湖札の二人によって殺された歪み、ヴァチ。
その二体は一輝の左右に顕現し・・・そこにいるだけで、世界が死に近づきそうになる。
『・・・中々に危険なものを飼っておるのだな。』
「飼ってる、ってよりも封印してる、なんだけどな。」
「何、敗北し封印されたこやつにも、一輝に興味を持ち契約したワシにも、世界を殺す意図はない。安心せい、トカゲ。』
『フン。
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