銃弾と砲撃
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ティアは―――――――オレの可愛い妹は、どこにいる?」
怒気を含んだ声で静かに―――不気味なほどに静かに告げるのは、クロノヴァイス=T=カトレーン。
評議院の制服を纏い、深い青の髪を緩やかな風に揺らし、同色の瞳でジョーカーを睨みつける。
「……ティア嬢の居場所?教える訳ないだろう」
「やっぱ簡単にゃ教えてくんねーんだ。だったら力づくでも答えさせてやるよ」
はぁ、と溜息をつくと、クロノは小さく俯いた。
ジョーカーは怪訝そうな顔をする。
周りにいるレビィ達はその様子を呆然としたような表情で見つめていた。
「勇敢なる戦士達エインヘルヤルに命じる。“今再び戦場に来い。装備は全て与えてやる”」
――――――刹那。
クロノの周りを囲むように、8つの光が力なく光る。
徐々にその光は強くなり、2つに分かれ、光り、また分かれる。
光は人間の形になっていき、目の位置に赤い光が宿った。
「戦乙女ワルキュルヤに命じる。“戦士達に与えろ。神の加護を受けし武器や鎧を”」
人間の形の光の上空に、駿馬に乗り鎧を纏う戦乙女が現れる。
華奢な腕がふわりと振るわれ、その軌跡から銀色の光が零れた。
人間を形作る光に触れた銀色は武器や鎧になり、光はそれを全身に纏う。
纏う全ては金銀に輝き、戦士達の赤い目が力強く輝く。
「これは……」
カナが小さく呟く。
気づけばそこには、今ここにいる妖精の尻尾のメンバーを軽く超える人数の光の戦士達が立っていた。
武器を取り、鎧を纏い、炎のような瞳でジョーカーを見つめている。
戦士達の中央に立つクロノは、笑みを浮かべ呟いた。
「神話の語り部展開―――――“ヴァルハラの物語”」
「うおおおおおおっ!」
竜殺しの炎を纏う右拳が、力強く振り下ろされる。
シオはそれを危なっかしく思う程にギリギリで避けてから、こんな状況でありながらゆっくりとした歩調で後ろに下がった。
「危ないー、でもー、熱くてー、なかなかー」
「ア?何言ってんだ」
「うーんー、久々にー、楽しめそうー」
ダン、と着地したナツが問う。
が、シオはそれ以上何も言わない。
「そこを退けえっ!」
叫び、頬を大きく膨らませる。
筒のようにした両手を口元に当てるのを見たシオは、何故か右腕の袖を捲った。
その腕を迷う事無くナツに向ける。
「火竜の……咆哮!」
猛る赤い炎が、シオ目掛けて放たれる。
が、シオはといえば避ける素振りも見せず、ただ腕を向けたまま停止するだけ。
フードの下のとろんとした瞳が炎を捉え、どこか眠たげな声でシオは呟く。
「吸収ー」
呟いた、刹那。
紅蓮の炎が一瞬そ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ