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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第九二幕 「ドリーミー」
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であることを肯定的にとらえたのは初めてかもしれない。
夢の中で貫かれていた心臓は、若干の疼きこそあれ、正常にポンプ機能を果たして、全身の毛細血管にまで血液を循環させている。違和感は夢の中での出来事に神経が騙されているだけだし、心臓の動きが早いのもやはり夢の中で起きた出来事に起因する物だろう。
周囲を見渡す。旅館の部屋の一つだ。凰鈴音の肉体には異常はなく、周囲の女子たちは半分が寝て、もう半分はこっそり別の部屋に遊びに行ったらしい。
どうして、と呟く。過去に胸に大怪我を負うような事故に巻き込まれたこともないし、今まで健康そのものの人生を送ってきた。その、筈だ。
「はぁ、はぁ・・・・・・何なのよ、もうっ」
悪態をつかずにはいられなかった。何であんな人魂モドキに痛々しいポエムを聞かされた挙句に自分が死にかける夢など見なければいけないのか―――と考えながら、水を飲もうと立って冷蔵庫に向かう鈴の顔面に、何かが命中する。
「フギャッ!?」
暗くてよく前が見えていないのを失念していたようだ。それは鈴の鼻にものの見事に直撃し、鼻にツンとくる独特の痛みが襲う。軟骨が多いせいか普通とは違う痺れに襲われながらも自分のキュートなお鼻が飛び込んだそれを払いのけた鈴は、そこで自分の鼻に命中したものの正体を見た。
月の光に揺れる藍色の頭髪―――いつもどこでもセシリアLOVEの・・・
「り、鈴さん?すいません、つららは全然そんなつもりなかったんですが・・・ここの部屋の子の落とし物を届けに来たんです」
「うう、なんかくしゃみが出そうで出ない・・・っていうか、アンタのどこにぶつかったのかしら?あたしのお鼻は・・・」
「つららのおでこにピンポイントです・・・ジャストです」
「もう、人に頭突きかますようなところ通ってんじゃないわよ・・・」
盛大にシリアスをと疑問の感情をそがれた鈴は、しょうがないので水を煽って2度寝することにした。2度目の睡眠では、同じ夢は見なかった。
= = =
一人の少女と入れ替わるように、今度は別の少女が嫌な予感に目を覚ましていた。
彼女は既に消灯した部屋からこっそりと抜け出し、温泉の前にある自販機エリアで静かにお茶を飲んでいるその少女の名前は、更識簪。眼鏡は外しており、その顔にはどこか疲労にも似た陰が射している。
ペットボトルを傾け、口内に中身を注ぐ。こくり、と喉が音を鳴らし、火照った体に食道器官を通り抜ける冷茶の低温が染みわたる。嫌な寝汗も漸く引っ込み、一息ついた。
「また、夢・・・何で?」
既に彼女は見た夢の内容を覚えてはいない。ただ、また知らない誰かが訳の分からない話をしているのを傍聴していたような内容だったことくらいはなんとなく分かっていた。
今回は、若い
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