第1話 二刀一対
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
状態で、俺はそう告げる。
母は身長が高く、さらに力もあるため俺を軽々と持ち上げてしまう。
母は俺を地面に下ろすと、俺と向き合い問いかけてくる。
「本気。俺も母上を、手伝いたいから」
「辛いぞ?」
「うん」
「…いいだろう」
母は肩にかけていた二刀一対の剣を渡される。
「これは?」
「お前に渡そうと思って、造っていたものだ」
父だろうか。
父は武の方はからっきしだが、手先が非常に器用だ。
母の使う戦斧を造ったのも父らしい。
「短い方が『倚天』、長い方が『青紅倚天』だ」
何となく、青白い光を放っているような……。
でも、名刀というのはわかる。
というか、この時代に刀?
「それは、伯縁が天啓を受けて造った物らしい」
天啓か。
あの女神か?
ちなみに、伯縁というのが父の真名だ。
母は零縁だ。
待てよ。何で今、これを持ってるんだ。
まさか。
「何でこれを今持ってるの?まさか、最初から参加させるつもりだったとか?」
「……」
母の眼を見ながら問いかけると、母はフッと目をそらした。
図星かい!!
「そんなことより、早く行こう。夕餉に間に合わなくなる」
全部見抜かれてるみたいで、複雑な気分だ。
母は俺を置いて、スタスタと歩いて行ってしまう。
俺は小走りでその後を追いかけた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ