プロローグ
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の中では向井と同じくブレーキ役だと思う。
それに、副会長としての愚痴もよく聞いてくれる。
主に、馬鹿が馬鹿をやった時の後始末の際には手伝いしてくれるし、通神系のサポートもしてくれる。
副会長補佐として誘いたいものだが、何故か役職を嫌うからなあ。
その辺りの話を踏み込んでしたことがないのは、私が足りないからだろう。
皆の事を知るために、"後悔通り"を調べる予定だ。
その結果として、何か知ることが出来ればいいが……。
●
今年も去年同様で三河に乗り込もうと色々な方法を考えていたのだが、全ては白紙に戻ってしまった。
東君から経由してハイディからK.P.A.Italiaの教皇総長と、三征西班牙の特務が来ると情報が入ったからだ。
流石に、聖連の目を誤魔化すのと特務の目を誤魔化すのは骨が折れる。
バレたら大問題になるだろう。
最悪、国際問題か聖連の圧力が強まってしまう。
それはまずいと思う。まあ、トーリの告白までは大人しくしていよう。
けじめを付けた後の方が大変だからな。
――皆の夢が叶う国を作る――
不可能男の弟が、不可能だと思われる夢を叶える。
何も出来無い弟。
ならば、何も出来る兄が必要だ。
だから俺は――。
馬鹿な弟の夢を叶えられる様に――。
――強くなろうと思った。
ホライゾンが死んだ時も、トーリが向こう側に行こうとした時も、喜美が泣いた時も。
俺は泣かなかった。
それが強いかどうかはわからない。
だけど、いずれ分かる時が来ると思う。
●
「そういや、今日はユーキの姿を見ないさね」
直政は右腕を、大型レンチの義腕としている。
その義腕に買い出しした紙袋を懸架していた。
直政に並ぶ様に紙袋を持った巫女服姿の浅間と鈴とアデーレがいた。
トーリの告白前夜祭として、夜に教導院で"幽霊探し"をする。
その為、右舷二番艦・多摩の表層部右舷側商店街で明日の打ち上げ用と、今日の幽霊探し用の買い物を終えた処で、直政はふと、思い出したようにユーキの事を口に出していた。
「そう言えば、早朝に一緒に走った後からユーキさんの姿を見てませんね」
始めに答えたのはアデーレだった。
「朝にトーリ君が"武蔵"さんのスカートの中身覗きに行くから、逃げたらズドンしといてって連絡はありましたけど……、私も今日はまだユーキ君の姿を見てないです」
「わ、私も、見てないよ」
浅間と鈴も続いて、ユーキの姿を見ていないと言ったのだ。
珍しい事もあるもんさね。
ユーキの傍には誰かしらいることが多いけど今日は誰もユーキの姿を見ていない。
「ユーキって、隠れんぼ異常に巧かったさね。地面に潜ったり屋根裏に隠れたりさ」
「そう言えばそうでしたねー。
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