プロローグ
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P-01Sは自動人形で、ホライゾンじゃないぞ。分かってるのか?――
――解ってるさ。だから、一年見てきた。ストーカーのように――
――捕まれよ。愚かなる弟。で、どうだった? ストーカーの成果は?――
――それがさぁ。別人なんだよ。でもさ、ホライゾンかどうかじゃなくて、いろいろ頑張ってる部分に惹かれちまってさ――
――もし、彼女がホライゾンなら、俺は、彼女に近づく資格もないって、思ってたわけよ。でもさ、段々と、いてくれるならそれだけでいいと思って――
――もし、彼女がホライゾンじゃなくても、何も出来ねぇ俺だけど、一緒にいてくれねえかな――
――一週間前くらいからソワソワしてた理由はそれか――
――さすが、兄ちゃんだ。うん。そろそろ十年。けじめつけねぇと――
「十年か。トーリは、振られるかもって微塵も思ってないのかな。まあ、振られたとしても、アイツの夢は、叶えてやりたいよな」
告りが成功しようが、失敗しようが、明日以降のやることは決まっている。
その為に出席点を稼いだのだ。ちなみに、今日は完全にサボりだ。
午前はともかく、午後は完璧なサボりだけど、まあいいか。
ノートはミリアムのを見よう。
外道連中に借りるよりはだいぶマシだ。
「じゃあな。また、来るよ。ホライゾン……」
碑石に別れの挨拶をして、俺は足を自宅へ向けた。
●
「そう言えば、去年ユーキ君が色々無視して武蔵から三河に降りて迷子になって聖連に見つかる前に保護されて色々無かった事になったけど、最終的に酒井学長がマジ怒られしたのって丁度去年の今頃だっけ?」
「Jud.、わざとらしくトーリ殿のエロゲーを三河方面にぶん投げて、あ、落し物しちゃったって壁走りして、大跳躍。そして、三河に侵入したで御座るな……。ぶっちゃけ、普段の真面目な様が擬態かと思ってしまうのは自分だけで御座ろうか?」
ネシンバラの問いに答えたのは、今しがた葵・トーリに上手く言葉に出来無い言葉を叩きつけられた忍者の点蔵だった。
「後で調べて分かったんだけど……、ユーキ君って、持ってるんだよね。激運を」
「フフフ、メガネ。ユーキがラッキーボーイって事くらい私は知ってるのよ? でも聞いてあげる。どういうこと?」
ネシンバラの言葉に反応したのは、喜美だ。彼女は髪を風になびかせながら、聞いた。
「愚弟のエロゲーは帰って来なかったけど、ユーキは帰ってきたわ。けど、いくら聞いてもどうやって帰ってきたのか、どこに行こうとしたか答えてくれないんだもの」
「えーと、どこに行こうとしたかは酒井学長辺りが知ってそうだけど、どうやって帰ってきたかは調べてわかったんだよ」
それは、
「三河の自動人形に保護されて、ユーキ君は荷物扱いで、三河から武蔵行
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