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メモリーバンク
作者:風雅 迅

「想い出」とは何なのか。
それは、時に人を傷つけ、時に人を慰める。
しかしそれは何故なのだろう。
「想い出」と言っても、それは過去に起こった事実でしかない。
その事実だけが人を傷つけ、慰めるとは本当に不思議なことだ。

また、人の記憶------「想い出」------とは非常に不確かだ。
人は、過去に起こったことを完全に記憶しておくことはできない。
つまり、人の中には常に偽物の「想い出」と本物の「想い出」が同時に存在するのだ。
しかし、人は自分でその「想い出」が本物か偽物か見分けることはできない。
過去を確実に振り返るのは「不可能であった」のだから。

そして、人は「想い出」を忘れたいと思い、忘れたくないと思う。
嫌な「想い出」は忘れ、良い「想い出」は忘れたくない。
誠に自分勝手なことだが、誰もがこの気持ちを理解出来るだろう。

嫌な「想い出」は忘れたい、良い「想い出」は忘れたくない。
それならどうするか------。

簡単だ。
忘れたいならば記憶を選択し消去すれば良い。
忘れたくないのなら記憶を切り取り大切に保存しておけばいい。

それを可能にしたのが。

------メモリーバンク------

連載中全 1話
▼ジャンル / キーワード
SF
想い出,記憶
▼最終掲載日時:
2016/06/26 22:16

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