のつぶやき |
2013年 02月 13日 (水) 22時 54分 ▼タイトル To LOVEる-予知眼(ヴィジョンアイ)の間違った使い方- ▼本文 第二の人生は割と楽しく送れている。生みの親の事をすんなりと親として接することも出来ているし、周囲の人間関係も良好だ。餓鬼と侮ることなかれ。前世の時はもうよく覚えていないがこの世界の子供達は意外と精神年齢が高い気がする。最近の子供は早熟よと言われればそれまでだが、さすがにクレ○ンしんちゃんのネネちゃんがやっているリアルおままごとのような設定で幼女と遊ぶとは思わなかったぜ。リアル過ぎるだろ。 それ以外にも鬼ごっこ、サッカー、悪戯など意外と楽しくて童心に戻れるものだ。と言っても俺は本当に子供に戻ったんだけどね。両親も俺を可愛がってくれているし、ちょっとませた男の子程度にしか思ってない。まぁ二人共少し豪快な面もあり細かいことは気にしないタイプの人だからという理由もある。普通驚くと思うんだけどな、新聞読んでる五歳児なんて。 そんなファンタジーな世界でもなく科学が異常に発達した都市もない極普通な世界に俺は満足している……そりゃあちょっとは残念に思った時期もあったよ。でも平和が何より一番だよね。痛いのとか嫌だし。 しかしそんな俺の思いとは裏腹にある日それは突然起こった。 急に痛み始めた右目。最初はズキズキする程度だったが徐々に痛みは強くなり右手で押さえていた手のひらからは赤い液体が溢れ落ちてきた。そんな突然の事態に俺の脳細胞はまったく働く気がないのかテンパるだけでどうしようと部屋の中ウロウロしていただけだった……親か救急車くらい呼べよ、俺。 やっとのことで出た二つの選択肢を選ぼうとしたときにはすでに痛みは収まっており、先程の痛みが嘘みたいに消え失せていた。だが当然の如く不安な俺は鏡の前に立ちゆっくりと押さえていた手をどけた。すると…… ――――嘘だろ。何だ、これ 痛みを発していた右目の瞳の色が変色していた。何かの病気かと怖くなり動揺しかけたが更なる問題が俺を襲う。それは、右目の視界だけ窓の近くに小鳥が停まって見えるのだ。勿論左目は小鳥など停まってはいない。何なんだこれ。見間違いかと思い目を擦ると小鳥は消えていた。 するとその数秒後さっき垣間見た映像と全く同じように窓付近に小鳥が停まったのだ。 「何なんだよ。分けわかんねぇ」 そんな異常な目に怖くなり親にも言えず、このことを誰にも言わず数日過ごした。勿論親や友達からは瞳の色について指摘されたが問題ないと答えた。普通それでも親なら心配で病院とか連れて行くんだろうけど、うちの親は一味違った。 「そうかそうか! 痛くねぇなら大丈夫だろ。それに何か漫画のキャラっぽくて格好良いしなっ!」 「それに特殊な能力とか使えちゃったりしてっ! そうね。この際、眼帯とか着けちゃいましょう。きっと似合うわよ。ほら、これ着けなさい」 あ、ありえねぇ。さすがにここまでぶっ飛んでるとは思わなかったぜ。それに何故眼帯をすでに持っているんだ、母よ。ただ何というか勘が良いというか。母親の冗談まじりな発言の通りこの目は俗にいう魔眼というやつらしい。右目に力を入れると数秒先の未来を垣間見れることが出来るのだ。エネルギー消費は激しいけどね。まるで全力疾走した後のような状態になる。そして我思ふ。 ――これは、使えるんじゃないか、と。 そう俺は思ってしまった。前世で二十代前半まで生きた俺は大人の階段を登ることによってはっちゃけることをしなくなった。まだ高校生だった頃、俺は遅咲きの中二病が発症してしまいエライ目にあった。それからは自重し、周囲に合わせ行動するようになった。 たまに俺と同じような遅咲き中二病に出逢えば過去の自分を棚に上げ、こんなことをこの歳になってもやってるのかよと嘲笑った。いつまでそれが格好良いと思ってるんだと失笑した。 だがしかし、それは違うのではないか。周囲がそう言っているだけで、それに流されているだけで本当はそれがまだ格好良いと、立ち姿はジョジョ立ちが至高であるとまだ俺は思っているんじゃないか。素直になれよ!俺! だとすれば左右異なる瞳の色を手に入れたことによって、あの憧れの眼帯を着ける意味が出てきたじゃないか。右腕に包帯とタメをはれる程に最高に格好良いアイテムを付けれるではないか! 何を迷う必要がある。第二の人生だ。とことん突っ走っても問題ないじゃないか。そうだ、やってやろうじゃないか。これは病気なんかじゃない。本能だっ!ほとばしる熱いパトスを今ここに解放せよ!卍解! そうと決まれば俺は行かなくてはならない。例え台風が近くに迫ってきているとしても俺は行かなければならない。この解き放たれし魔眼を使うために。 「オヤジ……俺」 「ふっ……行ってこい。息子よ」 「オヤジィィィィイイイ!!」 三文芝居なんかでは決してない。一流だ!ブロードウェイだ! そのまま小雨が降っていようと傘もささずに外へと飛び出した。俺は走る。熱いパトスが俺を強くする。ただただ、がむしゃらに。時には雨によって濡れた髪をかきあげて。 着いた先は駅前の広場だ。時計を見れば昼の三時半を過ぎた頃だ。丁度いい。ベストな時間帯だ。 早速俺は行動に出る。右目に付けた眼帯を某忍者漫画に出てくる白髪で車輪の目を持つ先生のように左手で眼帯を持ち上げる。解き放たれしは予知眼(ヴィジョンアイ)。 今駅前の広場には女子高生達が強風に負けないように短いスカートを押さえている。 「ふっ――無駄なことを。俺の目の前ではあまりに無力にして無意味。予知眼!!!」 するとどうだろう。あら不思議。数秒先のパンチラが右目に映るではないかっ! 「く、黒だとっ!けしからん! もう一度我に見せよ!」 そう、今見た映像は数秒先のパンチラだ。すなわち現実にてもう一度それが再現される。 クックック、ほぅれ、もう一度見せてみよ。ムフフ、キターーーーー(゚∀゚)ーーー! 一瞬、ただ一瞬の美しさと儚さがそこにはあった。このトキメキは刹那に見えるからこそだと俺は思う。女子の花園を包み隠しているだけの布だというのに何故あんなにも魅力があるのだろうか。気持ちよさそうな生地。まるで厚手のタオル地のような……そうあれがパンツだ。ウエディングドレスの生地すらも上回る美しさ。それはまるで神秘のベール。もはや芸術。芸術と変態は紙一重だとよく言ったものだ。 さてお次はっと、おっ!さすが台風が接近しているだけあって二度目のパンチラを拝むことが出来そうだ。今度は黒とピンクの小悪魔タイプかっ!けしからん。我を誘っているというのかね。も、もももう一度プリーズ。 「くっ……ハァハァハァ。さすがに二回連続ではエネルギーの消耗が激しいな」 地面に膝を着き顔に手のひらを当てて、少し休憩を図る。さながらそれは戦士の休息を思わせるに違いない格好だろう。ふふ、惚れてくれても構わないよ。それから一分も経たない内に回復したのは熱いパトスのせいだろう。 「よしっ! 次のパンチラだ」 「何ハレンチなこと言ってるのよっ!」 何故か背後からバチッと叩かれた。せっかくの意気込みも萎えてしまうではないか。どこの失礼なブスだと振り返るとそこには。 「……なんだ、ガキんちょか」 長い黒髪の俺と同年代くらいの女の子が睨めつけるように立っていた。 これが俺とこの子との最初の出会い。この時はまだこんなに長い付き合いになるとは思いもしなかった。 おわり あとがき 無駄に雨に打たれるのが格好良いと思っていた時期が小学生で止まってよかった。 |
2013年 02月 15日 (金) 22時 13分 joker@k ▼タイトル To LOVEる-予知眼(ヴィジョンアイ)の間違った使い方- ▼本文(冒頭20文字) やりそうですね。しかも校長と一緒に。 ... |
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2013年 02月 14日 (木) 20時 48分 茂吉 ▼タイトル To LOVEる-予知眼(ヴィジョンアイ)の間違った使い方- ▼本文(冒頭20文字) この主人公学生になったら階段の下にいるこ... |
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