のつぶやき |
2014年 07月 05日 (土) 23時 04分 ▼タイトル 突発的アイディアF ▼本文 『理法の在り処』 君は殺人をどう思う? 罪刑法定主義で規定され、刑法第199条から203条に抵触する犯罪? まぁ君にそこまでの知識は有していないだろう。いや何、馬鹿にはしていないよ。そもそも饒舌に刑法や民法を諳んじれる一般人の方がどうかしている。 さてもう一度質問だ。君は殺人をどう思う? ……なに? 人間が最もしてはいけないことだ? なるほどなるほど至言だな。だがその言葉は、私のような無法者からすれば戯言も戯言、綺麗事もいいところだ。 続けたまえよ。君の譫言をもう少しばかり聞いてみたい。なんだその眼は。恨みがましそうに私を見るんじゃない。私は何も悪くないよ。悪いのなんてないからな。善悪とかそんな曖昧な境界線は必要ないだろう……この世界では。 この世界は弱肉強食だ。強者が勝ち、弱者が負ける。そんな世界だ。各々が野性を解放し、気の赴くままに生活する世界だ。その世界では暴力こそが至上だ。そんな世界で理法を説くと? いやはやそれは徒労以外の何物でもなく、徒労以上の何物かだろう。数百年前の世界だったら君の説法も通じたろう。しかしこの世界は既に手遅れだ。理法を説くまでもなく、この世界は終わっている。 いい加減に認めろよ少年――――君は、生きる時代を間違えた。 |