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Arditoさん
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2014年 06月 09日 (月) 19時 26分
▼タイトル
ヒカ碁二次×佐為喪失直後万能プロローグ×フリー配布!?(サンプル小説付)
▼本文
  佐為が消えた。
  考えつく限り、佐為のいそうなところ全て探した。

 どこにもいなかった。

  最後に辿りついたところは今まで存在すら知らなかった、棋院のとある一室。
  そこには昔の棋譜がたくさん保管されていて、秀策――佐為の棋譜もあった。

 オレは今の佐為を知ってるんだから、昔の佐為なんてどうってことない……そう思いながら手に取った棋譜の、その予想をはるかに超えた素晴らしさに思わず見入ってしまった。

「アイツ……天才だ。 ……もっとアイツに打たせてやれば良かった……」

 胸を占めるのは後悔、後悔、後悔――

「バカだオレ――バカだっ!」

 視界が涙でぐにゃりと歪み、慌てて拭うが、次々に涙があふれて止まらない。

「佐為に打たせてやればよかったんだ。 はじめっから……! 誰だってそう言う。 オレなんかが打つより佐為に打たせた方がよかった! 全部! 全部! 全部!!」

 塔矢だって、行洋先生だって、院生時代からの仲間だって、オレなんかより佐為と打ちたかったはずだ、佐為の碁をもっと見たかったはずだ……!

「オレなんかいらねェ! もう打ちたいって言わねェよ! だから――」

 どうか、どうか――!

「神様! お願いだ! ――初めに戻して!」

 次は間違えない、間違えないから――

「アイツと会った一番はじめに、時間をもどして!!」




 ……一瞬、室内が静寂に包まれる。

「――っ」

 そうだ――そんな都合の良い奇跡、あるわけ無い。
 佐為ならともかく、オレのようなちっぽけな存在のために神様が何かをしてくれることなんてあるわけが無い。
 オレが、何をどんなに嘆こうと、世界はただ在り続けるだけ。


 ――……オレは、佐為を失ったんだ。

「――う、わぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ――!」

 オレは小さな子どもに戻ったかのように声を上げて泣き続けた。

 何も考えず、ただ、衝動のままに。

●○●ここまで!!●○●

ほぼ『叶っちゃった件』のプロローグと同じですが、これ凄く便利です((==三
これと全く同じプロローグでいくらでもヒカ碁二次が書けます(爆
まあ原作をほぼそのまま文章化しただけなので便利なのは当然ですね!
気に入らないところや稚拙なところはご自由に改造して頂いてOKです!
って、誰も要らんはっ!

まあ需要無いだろうなーとは思いましたが、ヒカ碁二次がもっと読みたいなーと思って謎なことをしてしまいました。
書いてやるよ!っていう天使のごとく慈愛の溢れた書き手様いましたらコメントで教えてもらえるとうれしいです!!

●○●↓以下、サンプル! 例えばのプロローグの続き↓●○●

 ――……オレは、佐為を失ったんだ。

「――う、わぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ――!」

 オレは小さな子どもに戻ったかのように声を上げて泣き続けた。

 何も考えず、ただ、衝動のままに。

――――――――
――――――
――――

 家に戻った。

「……ヒカル? 帰ったの? もうっ、ただいまくらい言いなさい!」
「……ただいま」
「こんな時間に一体何の用だったの! あなたまだ中学生なのよ!? いきなり外泊なんかして、やっと帰ってきたと思ったらまたこんな――」
「……ごめん、心配かけて。 ……今度から気を付けるから」

 上の空で返事を返しながら階段を登り自室へ向かう。

「……ヒカル? ――あ、ちょっと待ちなさいっ! まだ話は――それに晩ご飯もう出来てるわよ!」
「いらない。 もう寝る」

 そう言い残して部屋に入りドアを閉める。
 お母さんはまだ何か言ってるようだったがドア越しには良く聞き取れなかった。
 ドアが開いていたとしても同じことかもしれないが。

 しばらく暗い部屋の中でで立ち尽くし、暗闇に目が慣れて月の光を明るく感じられるようになった頃、やっと一歩目を踏み出す。
 部屋の中央にポツンと置かれた碁盤の前へ座り、その上に置かれた二つの碁笥を手元に引き寄せて床に降ろした。
 これは、今まで佐為と打つ為に数えきれないほど繰り返してきた一連の動作だ。

「……おねがいします」

 小さく呟いて黒石の碁笥から石を一つ手に取り、碁盤に第一手を置く。

 目を閉じて佐為の二手目を待つが、いつまでたっても佐為の声は聞こえない。

「――佐為、お前の番だぞ……佐為?」

 目を開くと、いつもなら目の前にいるはずの佐為がいない。
 立ち上がって周囲を見回しても、どこにもいない。

「……ほんとに、いなくなっちゃったんだな」

 ああ、本当に、消えちゃったんだ。
 オレ、今、一人なんだ。

 ――オレはそっと白石を手に取り、二手目を置いた。
 黙々と佐為と塔矢先生の最後の対局を再現していく。

 一手一手に佐為の思いが、感情が込められている。 それが分かるのはオレだけ。
 あの時一番近くでこの対局を見ていた、そしてずっと佐為と一緒にいたオレだけが本当の意味で佐為の碁を理解できる。

 最後まで打ち切ると、すぐに崩して別の対局を再現する。 棋譜なんか書いていなかったけれど、佐為の打った対局はほとんど全部覚えている。
 オレは記憶にある限りの対局を再現し続け、最後に塔矢と初めて打った時の対局を再現したところで手を止めた。

「やっぱ、アイツは凄い」

 オレなんかとは全然レベルが違う。 次元が違う。
 あいつの打った対局のほとんどが名局と言っても差支えないだろう。 特に塔矢先生との対局は歴史に残る対局だ。

 でも、もう佐為の対局がこれ以上増えることは無い。
 塔矢先生を打ち破った今は騒がれてるけれど、新しく打たなければ少しずつ少しずつ忘れられていくだろう。
 そしていつかオレが死ねば、佐為が存在したことを知る人間はもう居なくなる。

 ふと気が付くといつの間にか朝日が薄暗い室内を白く照らし出していた。

「……そうだ」

 佐為の碁を理解できるのはオレだけ。 そして、オレの頭には佐為の今まで打ったすべての棋譜が入っている。 ならば、佐為の碁をオレの手で再現することだって出来るのでは無いか。

 すぐには無理だろう。 佐為とオレの間には大きな実力差がある。
 でも、これはオレにしか出来ないことだ。

 アイツの代わりに、アイツの碁を打つ。

 ただ碁を打つことだけが望みだった佐為の前でオレは自分ばかり楽しんでろくに打たせてやらなかった。 そのせいで、佐為は神の一手を極めるという未練を果たせぬまま消えた。
 オレはなんて残酷な事をしていたのだろう。 失うまでそのことに気付きもしないなんて。

「ごめん……辛かったよな……佐為――」

 その声には我ながら酷く淡々としていて何の感情も込められていなかった。
 どうせ、オレの声はもうお前に届かない。

 どうしたら、会えるかな?
 死ねばそっちに逝ける? ああでも佐為は死んで千年も幽霊になったんだっけ。
 うっかり千年も佐為に会えないなんてことになったら困るな。
 それに佐為は絶対天国にいるはずだから、オレが今死んでも駄目そうだ。

 あれ程悲しかったはずなのに、後悔したはずなのに、今はもう何も無い。 それらの感情がどんなものだったかすらおぼろげで、大切な物を失ってしまったという喪失感だけがある。
 ぐちゃぐちゃとした感情も心も何もかも、全て涙に溶け込んで一緒に流れ出てしまったのかもしれない。
 ただ、佐為に会いたい。

 でも、会えない。

「佐為……オレは、オマエの碁で必ず神の一手を極めてみせる。 それで、神の一手を極められたら、さ――」

 ――オレもそっちの世界に行くから、待ってて。
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