のつぶやき |
2014年 06月 08日 (日) 00時 33分 ▼タイトル エル・ファシルの逃亡者 第八十五話 ▼本文 > 歴史に名が残っている強者は、名が残っていない無数の強者との闘争を経て名を残すことができた。前の歴史の強者だけを意識していたら、足をすくわれてしまう。敗北して無能のレッテルを貼られた者や名前が残らなかった者も侮ってはいけない。軍人に関しては、軍務経験を経てそれを理解したつもりだった。しかし、文民に関しては、認識が甘かった。 上記は掲題の話の1節であり、作者である甘蜜柑氏がこの作品で一貫している考えでしょう。(多分間違ってないはず……) 作品で描かれた登場人物の描写にその端々が見え、この1節もあえて言うなら作者の主張の繰り返し、読者としては『知っている』と言えるのですが…… 読んで無茶苦茶な衝撃を受けました。 前話で微かな希望が見えていただけに、今回の話で絶望的な状況に向かっていくのは正直に言って厳しく その読者としての気持ちと、主人公エリヤ君の今回の気持ちがかなりシンクロしてしまいました。 こんなに引き込まれるのは怖いと感じますが、同時にこんな凄い作品に出合い、リアルタイムに読めていることに感謝です。 |