のつぶやき |
2019年 01月 02日 (水) 17時 58分 ▼タイトル 2276−3 ▼本文 「その雑誌、どうかしたんですか?」 「いや、何でもない。ちょっと面白い内容が書かれてあってな。それが気になって読んでいただけだ」 実際には、麻帆良についての特集な訳だが……麻帆良祭において、全校生徒を使っただるまさんが転んだをやったらしい。 正直、どういう風にやったのか非常に興味深かったが……取りあえず、その辺は後でもいいだろう。 麻帆良という地名はUC世界にはないだろうし、あってもアムロが知っているとは思えない。 だが、麻帆良で暮らしている物の人数をがどれくらいなのかを考えれば、アムロであってもおかしいと思うのは間違いなかった。 「それで? 結局アムロは何をしにわざわざ俺の部屋に来たんだ? 世間話がしたいなら、それはそれで構わないけど」 恐らく違うだろうと思いつつ、もしかして、本当に万が一の可能性で、世間話をしにきたのではないかと尋ねるが、アムロは当然のようにそんな俺の言葉に首を横に振る。 「いえ、そういうつもりで来たんじゃありません。……イザークにちょっと聞きたい事があって」 「聞きたい事?」 「はい。……イザークは、シャアを知ってるんですか?」 「……何でそう思う?」 俺は、別にシャアとの関係を臭わせるような事はしていない筈だ。 いやまぁ、アムロは俺が月の人間であるというのを知ってるので、そっちの関係かもしれないが。 まさか、アムロがセイラとアルテイシアが同一人物だと知ってるとは……思わないが。 「何となくです。ただ、イザークの様子を見ていて、そう思っただけです」 何となくとか、一番厄介なタイプだな。 恐らくだが、ニュータイプ能力で何かを感じ取ったといったところか。 もっとも、アムロのニュータイプ能力はそこまで高くないような感じだ。 あくまでも、セイラと比べればの話だが。 俺の感覚で考えると……ニュータイプレベル2か3といったところか? それこそ、クスコもアムロよりはニュータイプレベルが高いと思う。 だが、そんな状況であっても俺とシャアの間にある関係に気が付くというのは、さすが原作主人公といったところか。 「何となくか。それだと、俺もこう言うしかないな。何となくだが、俺とシャアの間には、特に何もない、と」 そう告げると、アムロは俺を疑わしそうな表情で見る。 とはいえ、何となくで俺が怪しいと思ったのだと考えると、何らかの証拠を出せる訳でもないのは明らかだ。 だからこそ、アムロは俺の言葉に不満を持ちつつも、言い返すことが出来ないのだろう。 「……本当ですか? そう言い返してくるのがやっとのアムロに、俺は頷く。 「ああ、そうだ。……とはいえ、俺がシャアと関係があってもおかしくはないと思わないか? ルナ・ジオン軍の中にはジオン軍出身者も多いんだし」 この言葉は、間違いのない事実でもある。 そもそもの話、ルナ・ジオンに所属している者の中にはジオン出身者も多い。 そして俺がルナ・ジオン軍の人間だと思われている以上、元ジオン軍の人間であり、シャアと知り合いであってもおかしくはないのだ。 ……いや、一時期シーマの部下として活動していたのを考えれば、元ジオン軍というのも決して嘘ではないのだが。 「それは……でも、イザークさんは元ジオン軍じゃないでしょう?」 「さて、どうだろうな。その辺は正直微妙なところだが……取りあえずブライトに自由に行動を許されているというのを察して貰えると助かるな」 実際には、現在のブライトは俺にそこまで気を遣っていられるような余裕がないから、仕方なく自由にさせているというのが、この場合は正しいだろう。 もっとも、アムロはその辺についてどこまで知っているのか、俺の言葉に悔しそうな視線を向けてくるだけだが。 「で? アムロはそれが聞きたかったのか? てっきり、俺とメリルの関係を聞きに来たんだと思ったんだが」 「なっ!?」 俺の言葉に、アムロの口から驚愕の声が上がる。 何だ? もしかして自分がメリルに惹かれているというのが、知られていないとでも思ったのか? それこそ、恐らくメリル本人にもその辺は知られていると思うんだが……うーん、これは言った方がいいのか、それとも少年の純情を大事にして言わない方がいいのか。 微妙なところだ。 |