のつぶやき |
2018年 12月 31日 (月) 17時 04分 ▼タイトル 2274−4 ▼本文 「そうか。なら、まずはガンキャノンの操縦で注意する事だな。ガンキャノンの最大の特徴たる両肩の低反動砲。これはかなり威力の高い実弾の武器で、更に連射も出来る優れものだ。ただし、構造が甘いのか、もしくは単純に設計ミスなのか……その辺は分からないが、撃つ時に砲身ががたつくから注意が必要だ」 「……それって、大丈夫なのか?」 俺の言葉に、カイは少し離れた場所にあるガンキャノンの1機に視線を向けてそう言う。 「まぁ、その辺は使い方次第だろ。精密射撃をするのひあ向いてないけど、逆にそういうのを殆ど考えないで広範囲に弾幕を張るというのなら、問題はないと思う」 というか、恐らくだが本来はそっちの使用方法が正確なもなのだろう。 そういう意味では、俺の使い方が単純に間違っていたものだと思われる。 「そういうものか。……他に注意は?」 「後は、ビームライフルの威力や制度という点では、間違いなくガンダムのビームライフルより上だ。……代わりにガンダムのビームライフルよりも大きいから、取り回しは注意が必要だが」 「なるほど。アムロのガンダムよりも……」 ん? アムロの名前が出たって事は…… 「もしかして、アムロの事を知ってるのか?」 「ああ、同じ学校だからな。それなりに話したり、一緒に遊びに行ったりもするよ。もっとも、アムロの奴はああいう正確だから、あまり自分から好んで遊びに行ったりしないし、親父さんの影響で何かあっても優遇されてたけどな」 そう告げるカイの言葉には、嫉妬の類も少し混ざっているのが分かる。 にしても、父親ってのはテム・レイだよな? その影響で優遇されるって……何かって、一体何をしたんだ? そんな疑問を抱くが、今はカイを少しでも生き残らせる為に、ガンキャノンについて説明する方が先だろう。 「両肩の低反動キャノンと、ガンダムよりも射程や威力の高いビームライフル。こんな武器を装備している事から分かるように、ガンキャノンは基本的に中距離での戦いを得意としている。近距離用の武装になると、東部バルカンしか武器はないから、接近された場合は速やかに距離を取れ。……まぁ、ガンキャノンの装甲はザクマシンガンを至近距離から食らっても防いだガンダムの装甲より、更に厚い。そういう意味では、敵に至近距離まで近づかれてもそこまで気にする必要はないという事だ」 出来ればガンダムが使っているようなビームサーベルの類があれば良かったんだが、残念ながら現在のガンキャノンではビームサーベルを使う事は出来ないと言われている。 一応格闘の類は出来るのだが、まさかMSを操縦する素人のカイに、ガンキャノンで殴ったり蹴ったりしろというのは無理がある。 そんな訳で、もしカイが本当にガンキャノンで戦場に出るとすれば、接近されたらすぐ後方に退避して間合いを取る必要があった。 まぁ、頭部バルカンで牽制する事を考えれば、そこまで難しい話ではない……と、そう思いたいところだ。 「アムロのガンダムよりも上なのか。……大体分かった。後は、本番で俺が実力を発揮出来るかどうかだな。なぁ、イザーク。ちょっと模擬戦で相手をしてみてくれよ」 そう告げるカイの言葉に俺は頷き、ガンタンクについての説明をしているリュウやジョブをその場に残し、シミュレータに向かうのだった。 |