のつぶやき |
2018年 12月 29日 (土) 18時 00分 ▼タイトル 2272−3 ▼本文 「まぁ、避難民の数が増えれば、加速度的に必要なる食料とか増えていくけど」 呟き、そういう意味では月よりも近いルナツーに向かうという選択肢はそこまでおかしくはないのかと、そう思い直す。 もっとも、現在ルナツーで主導権を握っているのは、タカ派だ。 別にルナツーにいる全員がタカ派という訳ではないのだろうが……それでも、勢力としては以前タカ派が強いのは間違いなかった。 そんな場所に避難民を連れて行き、ましてや預けるなどといった事になれば、一体どうなるのか。 それは、考えるまでもなく明らかだろう。 最悪の結果を考えると、やはりクレイドルで暮らした方がいいと思う。 勿論、どのような者であろうと、罪を犯せば罰は受けて貰う事になると思うが。 そんな風に考えながら食事を食べ終わると、ちょうどそのタイミングで通信機着信を知らせてくる。 また、ブライトが何かの用事か? そう思いつつ、通信に出ると…… 『おう、イザーク。今ちょっと暇なら、格納庫に来ないか?』 映像モニタに映し出されたのは、リュウだった。 予想外の人物からの通信に少し驚きつつも、言葉を返す。 「格納庫? 格納庫で何をやるんだ?」 『うむ。何人か志願した者や推薦のあった者にMSの操縦を教えていてな。出来れば、イザークにもそれを手伝って欲しい』 「……本気か?」 この場合の本気か? というには、2つの意味が込められている。 まず1つは、今からMSの操縦を教えても、戦力として使えるとおもっているのか? という事。 そしてもう1つは、連邦軍にとって最高機密と言ってもいいMSに、軍人でも何でもない難民をパイロットにしてもいいのかと、そういう話。 後者に関しては、現在MSのパイロットとして使えるのは俺とアムロだけで、どっちも連邦軍の軍人ではない。 それを考えれば、おかしな話ではないのかもしれないが…… 『本気だ。これからどうするにせよ、MSという戦力がなければ、ジオン軍に勝つ事は出来ん。ましてや、相手はあの赤い彗星だからな。なら、少しでも万全の態勢を整えた方がいいとは思わないか?』 「それは否定しないが……まぁ、いい。分かった。それで格納庫に行けばいいんだな? なら、すぐに行く」 結局色々と疑問はあれど、それを口にせず最終的に引き受けたのは、やはり俺もまた若干興味があったから、とういのが大きい。 恐らく……いや、間違いなくこの世界の原作が始まっている以上、今こうしてMSのパイロットを選ぶという事は、原作でもアムロと共に戦った戦友……という事になるだろう。 であれば、可能ならルナ・ジオンにスカウトしたいと、そう思ってもおかしな話ではない。 『おう、分かった。待ってるから早く来てくれ』 リュウがそう言い、通信が切れる。 特に何か準備する必要もないので、俺はすぐに部屋から出て格納庫に向かう。 ……さて、一体どういう奴がMSパイロットとしてそこにいるのやら。 |