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青竹さん
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2018年 12月 28日 (金) 18時 00分
▼タイトル
2271−2
▼本文
「あ」

 すると、そんな俺達と全く同じタイミングでアムロが部屋を出たらしく、アムロの口からそんな声が漏れる。
 若干間の抜けた声を上げた後で、アムロの視線は俺から俺の後ろにいるメリルに向けられ……再度俺に視線が向けられた時は、その視線はかなり厳しいものになっていた。
 アムロにしてみれば、俺がメリルを部屋に連れ込んでいたように思えたのだろう。
 いやまぁ、実際に部屋に連れ込んでいたのだから、それは間違いではないが。
 ただ、この場合は連れ込むという言葉の意味が違う。
 アムロが想像したのは、男女の関係……平たく言えば、俺がメリルと部屋でイチャついていた、場合によっては抱いていたと、そう勘違いしたのだろう。
 だからこそメリルに若干ながら憧れの感情を抱いているアムロとしては、俺に鋭い視線を向けてきた訳だ。
 実際には何もなかったのだが、こういう状況で実は何もしてませんと言っても、まず信用はされないだろうしな。
 そんな訳で、俺はアムロの様子を特に気にした様子もなく口を開く。

「アムロもブライトに呼ばれたのか?」
「……ええ。イザークさんも呼ばれたんですね」
「そうなるな。ブライトにしてみれば、重大な事を決めるんだから、俺とアムロというホワイトベースのMSパイロット2人には話を通しておきたかったってところだろ」
「なるほど」

 アムロは呼ばれた理由は分かっていなかったのか、俺の言葉に短くそう返してくる。
 うーん、本当に大丈夫なのか、これ。
 そう思わないでもなかったが、アムロは別に軍人でも何でもなく、機械いじりが好きな学生にすぎなかったと考えると、そこまでおかしな話でもない……んだと、思う。
 そんな風に考えつつ、俺達はブリッジに向かうのだが……

「メリルさんも一緒に行くんですか?」

 アムロにとっては、まさかメリルも一緒にブリッジに行くとは思っていなかったのか、疑問の混ざった声でそう尋ねてくる。
 そんなアムロに対し、メリルは笑みを浮かべて頷く。

「ええ、そうよ。ブライトさんからイザークさんと一緒に来るようにと言われたの」

 実際には細かいところが色々と違うが、アムロはメリルの言葉に納得したかのように頷く。
 アムロにしてみれば、少しの間でもメリルと一緒にいるのが嬉しく、それでいて俺がそこに一緒にいるのは面白くない……といったように、複雑な様子といったところか。

「それにしても、やはり避難民の人達は多いですね。これだけの人を連れて逃避行となると、少し厳しくなるんじゃないかしら」
「ええ、そうですね。……食料や水も必要ですし」
「アムロ!」

 アムロとメリルが話をしていると、不意にそんな声が聞こえてくる。
 声のした方に視線を向けると、そこにいたのはアムロの友人……もしくは友人以上恋人未満といった様子の、フラウ。
 これは修羅場か?
 一瞬そう思ったが、アムロがメリルに対して抱いているのと、メリルがアムロに対して抱いているのは、好意的であってもその種類は違う。
 少なくても、メリルはアムロを男ではなく男の子として見てるのは確実だった。
 フラウの方はアムロを男として意識しているみたいだし、アムロもフラウを女として意識しているみたいなのは間違いなさそうだが。

「フラウ、どうしてここに?」
「だって、アムロが急にいなくなったんだもの。……もう、本当にどこに行ってたのよ。MSパイロットなんだから、ゆっくりと休まないと駄目よ?」
「分かってるさ。だから部屋で休んでたよ」
「あら、そうなの? でも、アムロの事だから休むといってもだらしない格好で休んでいたんじゃないの? ほら、前に私がご飯を持っていってあげた時も……」
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