のつぶやき |
2018年 11月 01日 (木) 19時 23分 ▼タイトル 冒険者ギルド ▼本文 近年のファンタジーものでは出ないことの方が少ないのではないかと思える、ギルドという組織。だいたい冒険者ギルドと呼ばれていますが、ほぼギルド=冒険者ギルドとなっています。そもそも冒険者なるふわっとした職業について個人的には割と疑問で、魔物退治が基本職なら冒険者じゃなくて傭兵かなんかだろと思わないでもないのですが、それは本筋ではないので捨て置きます。 ギルドというのはそもそも商業組合のことで、冒険者ギルドという言葉自体が架空のものであることは今更説明するまでもない事と思います。では現実のギルドとは何ぞや。高校の世界史とかでさわりぐらいはやる内容なので説明するまでもない気はしますが、一応学生時代の知識とwiki語ってみます。 ギルドは中世ヨーロッパの封建社会のなかで生まれたシステムです。構成するのは冒険者……な訳はなく、商人たちですね。言ってしまえば商人たちの纏め役で、利害関係の中で一定のルールを維持することで商業取引を安定させつつ、商売の独占性、つまり自分たちの社会的地位を維持することが目的となります。 これは国の単位ではなく都市単位で発生し、広く見ると自治権の獲得や維持という役割がありました。王政に勝手なルールを押し付けられたり、搾取されたり、あるいは余所者に市場を荒らされるといった事を防ぐ効果があったわけですね。 ただ、このシステムに則ると今度は商業ギルドが都市の実権を大きく握ってしまう。つまり都市を勝手にできるほどの権力者を発生させてしまうという欠点があります。当然都市のお財布を握っているわけですから市政への影響力は言わずもがなです。 これを快く思わなかったのが、商人に商品を提供する手工業者。商業ギルドに一方的に権力を握られれば職人たちの仕事に正当な評価と賃金が支払われなくなる、つまり安く買い叩かれ軽んじられることになる。そう考えた職人の代表、つまり親方たちは手工業ギルドを立ち上げて商人ギルドの一強体制に反発します。 手工業ギルドはつまり、商売人ではなく生産者たちの集まりです。ただしギルドのメンバーとして認められるには親方の格がないといけませんので弟子たちは厳密にはギルドの人間ではありません。ギルドの庇護下にあるという意味では無関係ではないですけど。 |