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2018年 09月 10日 (月) 23時 10分
▼タイトル
【ユアブラ】夏の雪解け2-1
▼本文
更新機能がダウンしているようなので呟き投稿です。

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 暁家は5人で構成されている。

 まず、母の笑重花(エリカ)と父の殿十郎(でんじゅうろう)。学校時代にパートナーとなってそのまま結婚した、というのは学校で「両親の事を調べる」という課題の過程で知ったことだ。父の家はそれなりに歴史の深い武士の家系なのだが、母は知っての通りのカカア天下なので父はさぞ苦労してきたことだろう。尤も、その母の強気な所はその娘たる自分、エデンにも受け継がれているようだが。

 さて、この二人の間に最初に生まれた第一子が長男の浄介(じょうすけ)だ。
 これは父が名づけた。男の子が生まれたら父が、女の子が生まれたら母が名前をつけようと約束していたらしい。ただ、父は最初「浄之進(じょうのしん)」なる変な名前を付けようとしていたらしく、母の猛反対によって浄介に落ち着いたらしい。
 ちなみに製鉄師の素養はない。これに父の実家はがっかりしたそうだが、両親はまったく気にしていない。年齢は21歳の大学生で、よく面倒を見てくれる人のいい兄だ。もうすぐ就職して一人暮らしをしようと準備を進めている。
 
 さて、第二子は長女にして姉の紗璃亜(サリア)。本当はシャングリアにする気だったが、流石にキラキラ過ぎるのではという父の猛反対が入ってサリアに落ち着いた。母は西洋文化に対する憧れが強めらしく、何かと洋風を好んでいる。
 現在の年齢は17歳、高校生。魔女の素養はなく、既に母の身長とスタイルに大幅な差をつけている。少しふわふわしていたり悪戯が好きだったりするが、やはり優しい姉である。

 そして第三子こそ、エデン。つまり私だ。
 なんでもサリアが「下の兄弟が欲しい」と誕生日に願った結果生まれたんだという。名前はと言うと、もう二人でつけようとエリカのエ、殿十郎のデンを貰ってエデンになったという。ちょっとこそばゆいが、好きになれる名前で良かったと思う。



 さて、そんな暁家にやってきた新たな子供の話をしよう。

 氷室叡治、13歳。何を隠そう私と同い年だ。
 2か月だけ私が早く生まれているので私が年上である。これは大事な事だ。
 今日はそんなエイジの一日を見ていこう。


 朝7時。エイジと私が目を覚ます時間だ。

「おっはよう!!」
「……おはようございます」

 眠そうな眼を開けてエイジが返事をする。しかし、眠そうに見えるのは普段からなので実は眠くないのかもしれない。

 私は基本的に寝る時間に寝られて、起きる時間に起きられる。エイジも同じで、いつも7時きっかりには起きている。しかし、これでは(仮の)弟を起こす姉というシチュエーションが出来ないと不満を漏らすと、エイジは週に一度だけ余分に寝るようになった。
 きわめて不器用な気遣いだが、まぁ良しとする。予想通り寝顔が可愛いし。

 夏であろうが容赦なく布団に身をくるむエイジの姿は見るだけで熱そうだが、体温は適温だ。元から寒がりなのか、それともAFSに隠れて別の病気でもあるのか、採掘を終えた後でもエイジは極度の寒がりのままだった。両親はそれを聞いて少し難しい顔をしたが、日常生活や生命活動には支障がないということで今は様子を見ている。



 朝食。朝ごはんは当番制で、母さん、父さん&兄さん、お姉ちゃん&私&エイジ、という感じで回している。

「今朝はトースト、みそ汁、野菜オムレツ、ししゃも的な魚!」
「前々から思ってたけどトーストとみそ汁の組み合わせはおかしいでしょ!?和か洋かどっちかにしようよ!」
「私は洋にしたいけど、お父さんが和食がいいーって言うから……」

 不平を口にするジョウスケ兄さん。それに口を尖らせる母さんの視線は気まずそうな父さんへと向かう。その奥では、野菜オムレツを割って中の野菜を恐る恐る口に入れているエイジの姿があった。この組み合わせに対して思う事はないらしい。

 エイジは何というか、おこちゃま舌だ。野菜が苦手でハンバーグみたいな分かりやすい子供受けするメニューが好き。それでも食事を決して残さないのは偉いと思う。ただ、貰ったものを全部食べてしまうため、時々食べ過ぎて苦しくなってしまっているので私がストッパーになっている。
 
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