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青竹さん
のつぶやき
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2018年 09月 10日 (月) 18時 02分
▼タイトル
2162−1
▼本文
「おお……これが……」

 ゲラートが、ホワイトスターにある治療ポッドを見て、感嘆の声を上げる。
 俺もジオンで1ヶ月ちょっと生活したが、ジオンの中ではこういう治療ポッドを使っている様子はなかった。
 いやまぁ、俺が行った事のある場所なんて本当に狭い場所だけだから、もしかしたらどこかにはこういう施設があるのかもしれないが……ともあれ、ジオン公国の持つ技術とシャドウミラーが持つ技術のどちらが上なのかというのは、それこそ考えるまでもない。

「じゃあ、早速だけど……これに着替えてきてくれる?」

 治療ポッドに目を奪われていたゲラートに、レモンがそう言いながら服を渡す。
 以前のこのポッドの中に入っているのを何人か見た事があるが、その連中もこの服を着ていたな。
 そもそも治療ポッドと表現しているが、実際にはこれは量産型Wとかを作る為に使われている物だ。
 いやまぁ、普通に治療目的にも使えるから、治療ポッドという名称は決して間違っている訳でもないのだが。

「む? これは?」
「この中に入る時に着る服よ。まさか、素っ裸で入る訳にはいかないでしょ? いえ、貴方はいいのかもしれないけど、私はアクセル以外の男の裸なんて見たくないもの」
「ほう」

 レモンの言葉に、ゲラートは笑みを浮かべて俺に視線を向けてくる。
 レモンが何を暗に言っていたのか、その理由を理解したのだろう。
 いや、別に隠すような事は何もないんだけどな。
 ともあれ、ゲラートはその服を持って装置の陰で着替える。

「サイテー」

 ボソリと小さく呟いたのは、ゲラートの付き添いしてやってきたシャルロッテだ。
 ニッキと共に、俺と面識のある人物。
 そのシャルロッテは、当然レモンが何を言いたいのかを理解し、頬を赤く染めながら俺に軽蔑の視線を向けていた。
 軍人なら、その手の事に慣れていてもいいと思うんだが。
 いや、闇夜のフェンリル隊は特殊部隊という事で、他の部隊と関わる事はそんなに多くはなかったらしい。
 そう考えると、言ってみれば極めて少ない人数で固まっていただけに、そういう風にからかわれたりする事もなかった……という可能性は十分にある。

「あら、そう? でも……アクセルって、夜は凄いのよ? それこそ、一晩中可愛がってくれるんだから」

 シャルロッテがそっち方面に疎いのは、レモンからでも理解出来たのだろう。明らかにからかうように……それでいて、俺から見てもそういう気分になる艶やかな笑みを浮かべ、そう告げる。
 そんなレモンの顔を見たシャルロッテは、それこそ顔を真っ赤に染めて……

「あー、その辺にしておいてくれないか。シャルロッテ少尉は、そういう冗談には慣れていないんだ」


 施術服――という表現が正しいのかどうかは分からないが――に着替えたゲラートが、そう言いながら姿を現す。
 まぁ、施術服とは言っても、そんなに特別なものではない。
 病人が着るような服と考えれば、パジャマとかナイトガウンとか、そういう感じの服だ。

「ゲラート隊長! 私は別に……」

 シャルロッテが何か言おうとするが、それよりも前に扉が軽くノックされる。

「少しいいか?」
「……ラル、お前は忙しい筈だろうに。来てもいいのか?」

 そう言いながらも、姿を現したラルに、ゲラートは嬉しそうだ。
 まぁ、普通に考えて見舞いに来てくれた親友に喜ばない訳がないか。

「ああ。姫様とハモンから強制的に3時間程休めと言われてな」
「……そうか」

 ラルの言葉に、嬉しそうにそれだけを言うゲラート。
 何だかんだと、この2人は似たもの同士なんだよな。
 だからこそ、ゲラートもセイラに協力しようという風に思ったんだろうし。
 もっとも、自分の眼を治せるという事にも当然のように惹かれたのは間違いないだろうが。

「ここで治療が終われば、俺はまたMSで前線にでる。そうなれば、青い巨星もロートルかと言われるかもな」
「ぬかせ。もっとも、青い巨星は所詮ジオン公国が付けた異名だ。今更、そこまで気にしてはおらんよ。もっとも、通りが良すぎて今更使うのを止める訳にもいかんのだが」

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