のつぶやき |
2018年 06月 02日 (土) 18時 02分 ▼タイトル 2062-3 ▼本文 「……ふむ、なるほど。そうきましたか。そうなると、ジンも倒した訳ではなく何人か戦力を置いてきたという事でしょうか?」 へぇ。ジンと違って俺がここに残らなくても怒る様子はないか。 いや、ジンが俺達を行かせないようにと考えたのは、タカヤを集団で攻撃させないようにという考えからだった筈だ。 特に俺がどれだけの強さを持っているのかというのは、タカヤやジンは直接自分達で味わって、そして見ているのだから当然か。 「分かった。じゃあ……頼むぞ」 出来れば、他の面々はともかくとして、有里は屋上まで連れていってやりたかった。 デス……いや、望月は、子供の頃から有里の中にいた。 それこそ、双子の兄弟に近いような感じなのは間違いない。 だからこそ、俺と望月の戦いをきちんと見届けさせようと思っていたのだ。 だが、相手がタカヤとなると、軽く見られるような相手ではない。 本来ならこの世界の主人公たる有里の力が、必ず必要になるだろう。 「言っておきますが、私は手加減しませんよ? 今ここで彼等を置いていった結果、もう2度と出会う事が出来なくなるかもしれない。それでも、構わないと?」 「挑発をするのなら、もう少し考えるんだな。正直、お前がこの3人……いや、1人と1機と1匹か? ともあれ、有里達に勝てるとは思っていない」 1人と1機と1匹。……うん、こうして改めて見ても、随分とアンバランスなパーティだ。 いや、それとも、この場合は寧ろバランスがとれていると表現した方がいいのか? 「ほう。随分と自信がありますね」 「まあな。……有里、任せてもいいよな?」 「うん、大丈夫。こっちは気にしないで先に行って。……こういう時は、何て言うんだっけ? 俺を気にせず先に行け?」 「それは死亡フラグ以外のなにものでもないぞ」 タカヤという強敵と戦おうとしているにも関わらず、有里の口には何の緊張もない。 「こんな相手、エリザベスに比べれば……」 とか何とか口の中で呟いてるけど、エリザベスってのは誰だ? いや、前にも何か有里がそんな事を言ってたような気が、しないでもない。 「アイギス、有里とコロマルを頼んだ」 「任せて下さい」 決意の籠もった笑みを浮かべ、そう告げるアイギス。 ペルソナが進化したからか、アイギスの言葉遣いも以前とは若干違ってるんだよな。 普通の人間らしくなったというか。 「わん! わんわん!」 コロマルは、俺が何かを言うよりも前に吠えてくる。 それはいいんだが、残念ながら俺にはコロマルが何を言ってるのか分からない。 ……もっとも、それはあくまでもいつもの事であって、ここにアイギスがいる今日に限っては違う。 「コロマルさんは、私達の事は自分の任せろと言っています」 アイギスがそうコロマルの言葉を翻訳する。 アイギスがいれば、コロマルの言葉が理解出来て便利だよな。 もっとも、迂闊にコロマルに愚痴を言えば、それがアイギスにも伝わるという事を意味しているのだが。 |