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2016年 11月 04日 (金) 14時 25分
▼タイトル
『蒼き夢の果てに』内に於けるエンドレスエイト及び消失事件の考察
▼本文
 本来なら154話の後書きに挙げたかったネタバレです。
 尚、今までの例通り、内容はアンチ要素を含む物となって仕舞っているので、その辺りが許容出来ない諸賢はこれより先に目を通す事はお控え願えると幸いです。
 但し、内容自体は原作の内容をしっかりと調べた上で創り上げた矛盾のない物となっているはずです。

 長門さんの台詞(第154話内)の中の、終わらない夏休み関係の台詞。
「〜〜外界からの干渉の排除〜〜」の部分は完全にオリジナル設定です。
 もっとも、もしかするとこの部分は次の周回。例えば一周目の夏休みの世界なら、次に来る二周目の未来に属する(夏休み明け以降の)朝比奈みくるが熟していた可能性もあるのですが。
 原作世界内の法則では、確定していない未来からでも過去に向かってタイムトラベルが可能みたいですから。

 つまり、全部チャラにされてなかった事にされた周回にも、当然ながらなかった事にされる直前までは未来へと時間が進む可能性が存在して居り、その消されて仕舞う未来から、自分たちの未来=世界を守る為にタイムパトロール隊員が時間犯罪者を処分する為に訪れる可能性があると言う事。
 この場合、処分される可能性があるのは涼宮ハルヒとキョン。故に、この二人を守る為に長門さんが未来からの来訪者を処分していた……と言う事。
 周回する夏休みが終わるその日まで。

 つまりこれは、朝比奈みくるは周回する夏休みの度に違う朝比奈みくるが現われていた、と言う事にもなるのですが。
 だって彼女が本来誕生するのはハルヒたちが過ごした時間から遙か未来の世界。世界自体がなかった事にされるのだから、其処で誕生するはずの少女が過去に時間旅行を行ってやって来られる訳がない。
 ……それは時間旅行などではなく、次元移動です。
 つまり、一周目の朝比奈みくるは一周目の世界がなかった事にされた段階で世界から抹消され、二周目の朝比奈みくるが誕生。以後、世界が消される度に朝比奈みくるが新たに現われては消える……と言う事を繰り返していたと言う事です。

 あっと、朝比奈みくる自身はすべての周回を経験していますよ。
 一周目が経験出来るのは一周目のみくるだけ。二周目は一周目と二周目は経験出来るけど、三周目は経験出来ずに消されて仕舞う。
 以後はこれの繰り返し。こう言う事です。

 こう言うタイムパラドックス関係のネタは古いSF小説では当たり前のように存在していますよ。
 まぁ、こう言う事を繰り返しやらされていたら。……思念体の命令により1万5千人以上の朝比奈みくるを殺させられたら、流石の長門有希でも致命的なバグを抱えたでしょうねぇ。

 故に、ウチの二次の長門有希は消失事件を起こすし、キョンの事を好いてもいない(以前の考察を参照。良い感情を持つ事は不可能です。終わらない夏休みだって、誰の所為でそんな事を繰り返し繰り返し続けさせられたのか)。
 まして、消失事件を邪魔するのが確実なキョン(あらゆる時空に存在出来る全にして一、一にして全に対しては幾ら長門有希でも記憶の操作などを行う事が出来なかった)を排除しても構わないと言う事で、朝倉涼子(つまり、彼女の役割はキョンの排除です)を配置した、と言う風に設定したのです。
 消失事件の最中は思念体が居ないのでキョンの排除は可能です。邪魔をする涼宮ハルヒも特殊な能力は失っているはずですから。もっとも、確実に排除可能な計画にして仕舞うと、計画段階で思念体に察知され、それまで任務に従事していた長門有希(つまりバグ=消失以前の長門有希と言う事)自体が廃棄されるので、不確定な方法で排除しようとしたのですが。
 計画自体を思念体は察知していたけど、吊り橋効果やその他の事情から、この計画は名づけざられし者の信用を得る為には有効と判断させる為にはね。

 朝比奈さんが長門有希に対する怯えのような感情を発する理由もコレです。
 彼女からすると1万5千人以上の自分を殺した相手ですからねぇ。身構えるな、と言う方が難しいでしょう。
 一方通行さんと打ち止めじゃないのですから。

 尚、何度も言いますが、これは私の二次小説用の設定です。原作小説に関しては分かりません。例え、その内容が妙に説得力があったとしても、です。

 次。……と言うかついでだから。小説内の時間で言うと消失は終了したからね。
 私は長門有希が製造されたのは1999年7月7日説を取っていますが……。
 但し、後に彼女自身が、自らが製造された時に雪が降っていたと言う証言も真実であると考えています。

 雪が降っているシーンとして有名な場面が、彼女が投入された最初のシーンだとね。

 つまりこれは、最初に存在していた長門有希は消失事件の際に消去され、それ以後に存在している長門有希は、消失事件以後……消失事件の最後の場面に投入された二人目長門だと考えている……と言う事です。
 それに、そもそも何故に長門有希を廃棄するお伺いを一般人のキョンに聞かなければならないのか。確かに読者に取って彼は主人公ですが、小説内の設定では一般人。それ自体が不自然過ぎる行為でしょう。
 これまでだって、彼女は色々な事件をキョンたちが知らない内に解決していた風な描写は原作小説内でも描写されていたけど、廃棄のお伺いを立てて来るのなら、これまでだって事件を解決しても良いか、と聞いて来たとしても不思議じゃない。
 でも、そんな事は有りませんでしたから。

 つまりこれは『猿芝居』。要は私の二次小説内で何度も言及している『吊り橋効果』を狙っただけの事。
 まぁ、程度は低いとは思いますが。
 何故ならば、消失事件が起きる事を察知出来なかったキョンに、今目の前に居るのが消失以前の長門なのか、それとも以後の長門なのか見分ける術はないはずですから。

 更にそもそも、あらゆる情報を集める事によって進化の極みに達した情報生命体に対して、自分にバグがある事を長門有希はどうやって隠し通したのか。
 まして、未来に事件が起きる事は長門も、更に思念体も知っているはずなのに。この辺りを解き明かすと、こう言う設定が一番しっくり来た。こう言う事です。

 最後。
 何故、キョンの役回りがウチの二次ではこう言う扱いになったのか。
 理由は簡単。度重なる突発性の健忘症や思考能力低下が、実は自分の本体からの影響。ここで事態を深く考えられると本体(ヨグ=ソトースでもハスターでも、ニャルでも可)の方からすると都合が悪くなるので、思考を誘導されたのじゃないか、と考えたの。
 色々と理由はあるけど、一番分かり易い例は、消失の最後の場面。
 普通に考えると、三年前から消失事件が起きる事が思念体には分かっていたはずなのに、その事件を防ぐ手立てはキョンの側から見ると一切、為されているようには見えなかった。
 しかし、何故かその責任のすべてを長門有希一人におっ被せて廃棄処分にしようとしている。
 これはおかしいぞ、と普通の人間なら気付かない?
 まして、その事について何故自分に対してお伺いを立てるような真似をして居るのか考えようともしていない。答えが分かっている問いをわざわざやらなければならない理由は何?
 ここも普通に考えると、そんな事をわざわざ聞いて来る方がどうかして居る。反対するに決まっているじゃない。
 思念体の能力から考えるのなら、分からない内に。気付かれない内に消失以前の長門有希を廃棄して、新しい長門に入れ替える事など造作もないはずなのに。
 ……私ならこう考えるのですが。何か俺に対して含むトコロがあるんじゃないのか。どうにも胡散臭いのだが……とね。

 こう言う、現実に存在している人間とは思えないような突発的な思考能力の低下現象は何らかの異界からの影響があるに違いない、と考えたの。
 決して、「やれやれ。また小説家的御都合主義だよ」などと呆れた訳ではなく、作者的な伏線の一環に違いないと深読みしたと言う事。
 更に、その前の部分。妙に言い訳じみた理由で、特殊な能力をハルヒが有した世界への帰還に拘った思考も、実はあの世界を創ったのがハルヒなどではなく、キョンではなかったのか、と考えた(この部分が情報爆発が起きた日付を1999年7月7日に設定した根拠)。
 実はキョンの正体がクトゥルフの邪神の顕現で、自分はその事に気付いていないだけでは、と考えると、あの論法は不思議でもなんでもなくなるから(一向に明かされる事のないキョンの本名がそう言う考察の論拠にもなった)。
 ……だって、消失の世界って、キョンの感情以外はすべて丸く収まっているものね。

 故に、ウチの二次小説で彼はこう言う役割となった、と言う事。
 ウチの二次は基本、異界からの侵略者から世界を守る側から見た作品。元々あった世界を別の世界に書き換えようとする連中との戦いがメインテーマですから。
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