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2016年 09月 24日 (土) 18時 47分
▼タイトル
誰がためにキャラは喋る
▼本文
いつでもどこでもどうでもいい話をする私の、心底どうでもいい話。



小説のキャラクターは何のために喋るのか。誰の為に喋っているのか。そんなことをちょっと考えさせられることがあって、考えています。

まずなんで喋るかっていうと、単純にしゃべらないとそのキャラの内面や立ち位置を表せないからというのがあります。会話はヒトの持つもっとも文化的かつ原始的なコミュニケーション手段の一つであり、コミュニケーションとはつまり自分の意志を相手に伝達する手段なわけです。(といっても小説の場合は伝達手段は文字ですけど)。
小説の中の世界に人物がいて、その人物が誰かもしくは読者に何かを伝えようとしてるから、小説のキャラは喋る。うーん、だから何だって言われそうなくらい普通……に見えますが、「物語内の誰か」に伝えることと「読者」に伝えることでは全く意図が変わってくるなぁとも思うわけで。


前座が長くなりましたが、つまりキャラクターは喋っているのか、それとも喋らされているのかという事が本題になります。(ちなみにきっかけは某所でキャラの発言が不自然だと指摘したら「今後の展開上仕方ない」と言われたことです)

よく物語を作る人たちが感じる「作品内で、キャラクターが自分の手を離れて勝手に動いている」という感覚、分かりますか。あれは作者の中で作品内の世界観やキャラ付けが出来上がっていて、彼らならばこうするだろうという予測が立つからそういうことが起きる訳です。このとき作者はシミュレータであり、シミュレート結果に沿ってあちこち着色しながら文字に打ち出す装置と化しているとも考えられます。
これは自分が頭の中で思い描いた空想の世界のルールに則って書くわけですから、作者が何か前提条件を忘れてしまったりしない限り、その世界のキャラたちは作者の干渉をほとんど受けずにキャラに沿った行動と発言が許されるわけです。
厳密には物語である以上全力で作者の干渉を受けているとも解釈できますが、少なくともキャラクターたちはそういった環境下では作品内の性格や設定に沿った、「らしい」行動を取り続けることが出来るのです。だからこういうとき、キャラクターは作品内の世界に向けて言葉を発しています。

じゃあ喋らされている場合はどうなのか。

代表的なものを挙げると、「○○はそんなこと言わない」というネットスラングのように物語内のキャラと実際の言動が一致していない場合は、だいたい作者に喋らされていると考えていいでしょう。或いはその人の頭の中ではそのキャラはそういうことを言う人なのかもしれませんが、普通キャラクターを真面目に考察したら他人から「○○はそんなこと言わない」なんて言われないでしょう。
(ちなみに「あいつはなんであんなことを言ったんだろう」と物語内で他のキャラが考えさせられるような展開というのは上記の「喋らされている」とは違います。その場合は物語上明確な理由があっての発言なわけですからね。)

じゃあなんで作者はキャラに沿わない発言をキャラにさせたのかというと、そんなことをする理由など一つしかありません。作者がそのような発言をさせ、作者の思うように物語を進めたいからです。まぁ小説が自分の書きたい物語を書くのはある意味普通の話ですけど、キャラが喋らされているとなると話が変わってきます。
ホントはこのキャラはそんなことは言わない。或いはここまで突拍子のないことは言わない。そんなことは分かっていても、物語の展開上こうしたい。そのまま世界設定に沿わせて喋らせているだけではどうしても自分の理想とする展開に自然に運び込めない。そんなときの最終手段が「無理やり喋らせる」です。
当然というか、作者が都合のいいように喋らせている部分は話の流れ的におかしかったとしても物語内の他のキャラクターがそれに違和感を覚えたり非を唱えることはまずありません(メタファー的な部分は別として)。あからさまに不自然な部分を盛大にスルーしてしまいます。物語内では絶対者たる作者が黙らせればもうキャラクターは「らしい」行動を取れませんから、そこは通ります。

問題は、そんな文章を読んだ読者が違和感を覚えない訳がないということです。喋らされている発言というのは、逆を言えば「無理やりにでも喋らせないと出てこない言葉」という事です。もうその時点で無理があると私は思います。

この場合、キャラクターは誰のために喋っているんでしょうか。
物語内のキャラクターに喋っているのか、読者へ作者の言い分を代弁しているのか、それとも作者がそう喋れと命じたから喋っているのか。どっちにしろそんなものはキャラの意志や世界観を無視した一方的な現実の歪曲です。そんな言葉は誰にも向かっていない……と、少なくとも私はそう思います。

キャラがキャラらしく振る舞えるように、そこに至るまでの積み重ねと道筋を整えるのは作者の仕事です。そのしわ寄せをキャラに背負わせるのは責任の押し付けと同じこと。駄目だと思ったら駄目な部分をさっぱり消して書き直すべきなんじゃなかろうか。

作者は親なんだから、子供の為に手間を惜しんでは駄目でしょう。


以上、今日も今日とてしょーもない海戦型の持論でした。
▼返信[返信する]

2016年 09月 25日 (日) 21時 51分
海戦型
▼タイトル
誰がためにキャラは喋る
▼本文(冒頭20文字)
確かに出来ているという確信はありませんね...

2016年 09月 25日 (日) 11時 26分
黒猫大ちゃん
▼タイトル
誰がためにキャラは喋る
▼本文(冒頭20文字)
 商業作家でも御都合主義や深く考えもせず...

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