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2015年 10月 07日 (水) 01時 17分
▼タイトル
「みおくりの作法」
▼本文

 久々に映画のDVDを借りました。ここ最近、映画は全く借りてなかったので…。

 この映画、全編通して物静かな感じで、時おり垣間見えるユーモアと叙情的な風景が印象的。

 テーマはタイトルにあるように「みおくり」…特に孤独死した方々の埋葬までをテーマにしています。
 ゲイである私には他人事ではありませんね…。

 主人公は市の職員で、孤独死をされた方が見つかった時に連絡を受け、身寄りや知人を探す…と言ったもの。
 しかし、故人の宗教を探して埋葬方まで合わせていたため、金が掛かると解雇される…と言うなんとも世知辛い話ですが、最後まで見ると…「あぁ…こんな最期もいいなぁ…。」なんて思ってしまいます。

 若い世代にはしっくりこず、ただの詰まらない映画に見えるかも知れません。ですが…今の日本も孤独死はそれこそ他人事ではないと思います。

 ここからはネタバレですが、この主人公…最後の仕事で受けていた故人の知人や身寄りを探して回り、娘までやっと辿り着きます。
 娘は葬儀には出れない…と断りますが、後になって主人公に連絡を取ります。
 主人公は主人公で、故人に自分が買っておいた墓を提供してしまいますが、故人の葬儀の前に…亡くなってしまうのです。
 ここまで見ると…何だか人生が虚しくなる映画で終りますね…。極めつけは、主人公が埋葬されている時に、主人公が手掛けていた最後の仕事が幸を奏して故人の家族や友人が集まって葬儀をしているのです。その脇を、主人公を埋葬すべく遺体を乗せた車が通り過ぎて行く…。誰一人…見送る者もなく…。

 ですが…埋葬されて誰もいなくなった主人公の墓に、今まで見送ってきた故人達が次々に現れ、墓の周囲が沢山の人に囲まれて映画が終ります。

 多分…若い世代にはうけない映画ですかね。下手をすれば、最後は亡霊に囲まれて終った…なんて思われるかも知れないですから…。

 ですが、最後に現れた人達は…「心」や「想い」だったと私は感じました。こんな世知辛い時代ですから「偽善的」と思う方々も少なくはないでしょうが、一回は見てほしい映画です。



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