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2015年 06月 12日 (金) 00時 45分
▼タイトル
バーサーカー外伝。
▼本文
「ウォァアアアアアッ!!!」

叫び。

私の後ろには青年。しかし、私はそれよりも先に目の前の老人へ目を向けていた。

何を隠そう、私はこの男を何よりも恨んでいた。

殺してやる……と。

この醜悪で歪に歪んだ正義を振りかざして――――――――――




時は遡る。




戦争。戦争。戦争……戦争戦争戦争!!

争いしかないのか、この世界は!?

火の雨が降り注ぐ。

周囲の人を守るように爆炎を薙ぎ払う。

人は逃げる。私に石を投げる。

英雄などなる気はない。

それで人が救えれば――――――――

「充分だ!!」

人に認められなくてもいい。痛めつけられてもいい。いや、死んでしまったっていい。

人の気配に気付く。子供だ。子供が逃げ遅れている。

火の雨が降り注ぐ。

幼子の命を焼き尽くすべくして、無慈悲な爆炎が降り注ぐ。

加速する。加速する。加速する。加速する。

手を伸ばす。大丈夫だ、救える――――――――――!

だが。

「な………ッ!?」

止まる。体が光り始める。輝いて―――――――潰れる!?

子供がこちらを見る。絶望の表情で上を見上げる。

そして、悲鳴を上げることもなく燃えて――――――――






ここはどこだ。

ここはどこだ。

声が聞こえる。

美しい女の声。

そして傍らで喜びの声を上げる和服の男。

なんだ。何をそんなに喜んでいる。

子供が死んだからか?ならば貴様が死ね。

耳がエコーで人物の骨格、声の音域などを解析、肉付けして人物を作り上げる。

「やりましたね、ユスティーツァ!これで聖杯へ一歩近づきました!」

聖杯。頭の中に刻まれた知識の中からそれを出す。

聖杯。

キリスト教などで願いを叶えるとされる願望器。

人のエゴで使いまわされる、都合のいい存在。

今の私か?いや、私は違う。私は……都合のいい存在などではない。

「都合のいい存在などでは……ない……!」

思わず、巨人の大剣を想像して作り上げる。

かつて、古代の英雄が強固な鎧を纏って使用していた無二の大剣、タイタンソード。

思わず振り上げるが、踏みとどまった。

――――――――――――――何を見ている?

その聡明な瞳で、私の何を見ている?

なぜ涙を流す?なぜ?

「悲哀の英雄」

ビクリと。この体がはねた。

「本当に、かわいそうな人」

カワイソウ?そんな、あの人が言ったような――――――――

「危ないですよ!」

近付いた瞬間に男が間に入る。

悲哀の英雄。私の総称。それを、この女は一瞬で見抜いた。

ただ、言おう。

私は数億年、数兆年ぶりに人間というモノを気に入った。




あれから幾何かたった。

そして、私を呼び出した女のことを知った。

ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン。

北の魔術師の大家で生まれたホムンクルスである。

そして和服の男。

彼の名前はマキリ・ゾォルケン。

正義の理想を掲げる男。私と同じ理想の保持者だ。

だが、遠坂という奴だけは気に入らなかった。

それを差し抜けば、楽しいとも思ってしまうほどだった。

日々というのは過ぎるのが速いというモノ。

私達は互いに認め合い、理解しあえていたと思っていた。

だが、あっさりとそんなものは崩れ去った。




「答えろ、マキリ!!なぜそんなことを隠していた!」

私は思わずマキリに掴みかかった。

「すまない……君だけには言うなと彼女が言っていたから……!」

大聖杯。願いをかなえる聖杯その物。

私は急ぎ足で移動を始めた。

「その魔術回路に彼女をするだと……!」

赦さない。そんなもの、人の死に方ではない。

「どういう事だ、ユスティーツァ!!」

私は憤怒の表情でユスティーツァの寝室の扉を開けた。




という事でここまで。明日には第二部を!多分!!
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2015年 06月 12日 (金) 06時 38分
八代明日華/Aska
▼タイトル
バーサーカー外伝。
▼本文(冒頭20文字)
アインツベルンの党首の名前って『ユステ...

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