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『冥王来訪』への感想

投稿者:[非会員]の感想
[2023年 05月 04日 17時 43分]

▼一言
中国人も内田先生の小説に対して、不満の点いくつがあります

1、国家保安省は社会主義の理念をもとによって、ナチスやゲルマンのシンプルと命名法にしない。
2、なぜベルリンのクーデターを主導者たちは佐官級です?226事件の主導者をモデルしますが?
3、国家人民軍と国家保安省の権力闘争は大日本帝国の陸軍と海軍の権力闘争をモデルする、ドイツ民主共和国の議会が完全に飾り物になりました。
4、ベアトリクスがテオドールに語り理念は歴史の中の社会主義じゃない、大日本帝国の国家総動員だ。


▼返信
投稿者: 雄渾
[2023年 05月 05日 (日) 02時 30分 37秒]

 内田弘樹先生は、資料に関してあまり調べない人とのうわさがあります。
(いちいち、ここでは指摘しません。『内田弘樹 アイオワ級戦艦』で検索すれば良く無いうわさが出てきます)
「シュバルツェスマーケン(以下:柴犬)」第六巻の文中でドイツ連邦情報局をBNDと表示すべきところを、BDNと書いていました。
(ドイツ連邦情報局のドイツ語の正式名称は、Bundesnachrichtendienst)
これは、インターネットで略語を調べれば間違いのないような簡単なミスです。


 ドイツに関することを書く場合は、理想はドイツ語の研究資料や文献を見るべきでしょう。
例えれば、ハリウッドで、日本のやくざを題材にする際に、英語やフランス語の文献をもとに映画を作ったら、変になります。
 日本語ができなくても、日本の専門家や日本語文献を英訳したものを参照すべきでしょう。

 「隻影のベルンハルト」の二次創作を書くにあたって、独語のできない小生は、日本国内の東ドイツ研究家の専門書を何冊か、参照にしました。
その際、史実と劇中の世界観が乖離している部分が多かったことに衝撃を覚えました。

 後日、ツイッターで、「あ、オレこういう話書いたような気がする<北朝鮮」という発言と聞いた際には、内田先生は真剣に東西ドイツを題材にしていないんだなと思いました。


一つ目の設問ですが、おそらく社会主義者の名前を使った部隊名よりも、北欧神話由来や古代ゲルマンの影響の強い名前のほうが単純に格好いいからでしょう。
本来ならばエンゲルス連隊とか、ローザ・ルクセンブルク連隊の方が社会主義国らしいのですが。

あるいは、日本の慣習で部隊名や艦名に人命を付けるのを忌避しますから、そうしただけかもしれません。
その場合でも単純に連隊番号だけとか、特別部隊とかの名称にすればいいだけですが。

二つ目の設問ですが、日本の作家や創作者の悪い癖で、クーデターといえば226事件なのです。
あと226事件の決起将校のほとんどは尉官です。佐官(校官)ではありません。


三つ目の設問ですが、常識で考えれば、東ドイツを支配しているSEDの政治局は軍も秘密警察も管理できない無能ということになりますね。
 史実では国家人民軍は党の統制が及ばない人間がいたのは事実です。
軍と対立関係にあったホーネッカーは子飼いの人物を参謀総長や国防大臣に任命しますが、完全には掌握できなかったようです。

あらためて小説を見直すとシュミットが国防大臣とシュタージ長官を兼務しているのです。
スターリン死去後のラバレンティ・べリヤかなと思いました。

ちなみに小説版とアニメ版のシュミットは違います。

内田弘樹先生の小説版は、シュタージ長官と国防大臣を兼務し、東ドイツの独立のためにソ連の核弾頭を欲しがっていました。
たしか年齢は30代後半だったはずで、ミルケ長官を殺して長官の地位に就いています。
クーデターの際にはホーネッカー議長はじめ、東ドイツ指導部のほぼ全員を抹殺して傀儡の議長を立てました。
ベアトリクスを利用しながらも、内心は非常に馬鹿にしていました。
ベアトリクスを殺そうとした理由は、彼女を死後英雄として祭り上げるためでした。


渡邊哲哉監督のアニメ版は、東ドイツ総帥の地位に就き、ソ連の防御壁として東ドイツを使うために送り込まれたKGB第一総局のスパイで、特務少尉でした。
無論、こちらでも議長以下、政府首脳を抹殺して、総帥閣下の地位に就きます。
(東ドイツの言葉では、身分をあらわす『閣下』は、普通は使いません)
ベアトリクスを自身の後継者にしようとしている節があり、非常に重用していました。
ベアトリクスを殺そうとした理由は、KGBスパイということが判明したためでした。

第四の設問ですが、今の多くの日本人の考えとしては、戦争といえば、先の大戦のイメージで作品を作るためでしょうね。
どうしても戦時下の統制だと国家総動員法なのでしょう。
5chのアンチスレで言われていましたが、率直にナチスドイツの国防軍と武装親衛隊のイメージで作れば齟齬はなかったと思います。

 劇中のシュタージは、組織はKGBそのもので、やってることは武装親衛隊みたいでした。

史実の東ドイツの国境警備隊は国防省所属でした。ワルシャワ条約機構軍の中では国境警備隊は軍事組織に配置されるようにソ連が指導しました。
一方、ソ連は一貫して国境警備は諜報機関の武装部隊が実施していました。
NKVD(内務人民委員部)時代や初期のKGB(国家保安委員会)では航空戦力まで少数ながら持っていました。

 貴重なご意見、ありがとうございます。
社会主義になじみの薄い日本人にはない感覚なので、非常に参考になりました。

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