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『冥王来訪』への感想

投稿者:[非会員]の感想
[2023年 04月 27日 14時 18分]

▼一言
マブラブ世界には日本が皇帝と将軍の二重権威、現実にはイランがヴェラヤティ・ファキーフとの相違点?


▼返信
投稿者: 雄渾
[2023年 04月 27日 (日) 18時 00分 31秒]

当作品を盛り上げるために、度々のご質問、ありがとうございます。

>マブラヴ世界の日本の皇帝と将軍の二重権威
ぶちまけた話を言えば、ageの吉田社長はそこまで考えているとは思えません。
 なんでこういう複雑な設定になったか、話したいと思います。
 発売から20年たったマブラヴです。
最初期の設定をご存じない方も多いと思います。

 2003年の発売当初は煌武院悠陽は将軍という意味不明な役職ではなく、名前も決まっていない人物でした。
帝という表記で、帝国斯衛軍は、近衛師団の表記でした。
 2005年ごろまでの日本で、喫緊の課題は皇位継承問題です。
若年の皇位継承者の不在で、憲法と同じく容易に改正や変更のできない皇室典範の改正が、国会で議論されていた時期です。
 右派左派入り乱れて、国会の内外で皇位継承問題でかまびすしく議論が繰り返され、今よりも荒れた世情(せじょう)であったのを覚えています。
 そんな時代でしたから、一エロゲーメーカーであるageにもいろいろ苦情が来たのでしょう。
架空の日本とは言え、奈良時代の孝謙天皇以来、タブー視されている女性天皇を登場させているです。
話が発展していけば、主人公の白銀武と男女の仲になることは、容易に想像がつくのです。
 東亜の相続、いや全世界の文明社会では、相続は基本男系、父系の相続です。
王権は、父から子、子から孫へと渡されるのが一般的ですし、理想です。

 マブラヴ世界の日本の女帝と主人公が男女の仲になって、その間にできた子が帝位を継ぐ……
それは一番日本人が嫌がる話なのです。

 この日本は、国の成り立ちから神武天皇の男系血統で成り立っている国です。
その存在の正当性を、いくら空想の物語とはいえ、けがされるのはたまったものではありません。
 
ageは商業メーカーです。売れなくてはいけません。
その為、2006年に発売になった際に、女帝は、政威大将軍・煌武院悠陽という設定に変更され、それに伴い、付随する設定を大幅に変えました。
 3年もかかって書いたシナリオを捨てるのは大変です。
それゆえ、後付けでそのゆがみを直すために細かい設定を吉田社長が書きあげました。
それをまとめたのが、「メカ本」です。

ただ、ageの公式同人誌やシュバルツェスマーケンの展開を見ると、日本史だけ違うあゆみの世界に現実の政治家や米ソ冷戦の構造をくっつけたいびつな世界観になっているのです。
(日本だけ幕藩体制のままで、毛沢東や蒋経国、ホーネッカーやブレジネフがいる世界になっているのです)
 

 本小説に関して言えば、マブラブ世界の日本における皇帝と将軍の二重権威に関しては、作中で述べています。
この問題は非常に神経質な話題なので、時間的余裕、精神的余裕がある際に、作中で述べたいと思います。

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