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『冥王来訪』への感想

投稿者:[非会員]の感想
[2023年 01月 28日 14時 00分]

▼良い点
マサキのアイリスに対する思いが本物な事。

▼一言
何で大伴みたいに平等な社会を作るのは不可能な共産主義を崇める人があらわれるのか理解不能です。


▼返信
投稿者: 雄渾
[2023年 01月 28日 (日) 15時 39分 25秒]

ご感想有難う御座います。
>大伴
大伴がなぜ親ソ的な考えを抱いて、ソ連の間者に接触したかはTE本編では語られていませんでしたが、戦前の帝国陸軍にその原点を見出せるのかと思い、史実の帝国陸軍内にあった容共親ソの思想を手本に理解しました。
 今日の日本とは違い、戦前は明確な身分社会でした。
一応、法の平等は謳われ、選挙権や徴兵も平等にされましたが、社会保障や納税のシステムが違いました。
 累進課税が無く、富裕層が一定の納税をし、国民健康保険も今よりずっと貧弱で、自立救済の面が大きかったのです。
 貧困層は、納税額は少なかったのですが、一旦けがや病気になると生活できないほどに困窮しました。
また主要作物のコメや輸出を支えた生糸などは、天候や病害虫に左右され、非常に収入源は不安定でした。
貧困家庭では生活する為に、子女を奉公人に出したり、酷い場合は遊郭に身売りする程でした。
そんな悲惨な現状を見た世間知らずの金満家の子息や、有名大学のインテリ学生は、現状を変える思想として共産主義に頼りました。
卑近な例を挙げれば、バブル期の狂乱を嘆いて、オウム真理教の門をたたいた、インテリ学生や知識層と大変良く似た構図です。
(オウム事件とロシアの関連に関しては、後日日を改めて話したいと思います)

 日本には明治維新以前からフランスのパリコンミューン事件を通じて、共産主義思想が知識人、指導者層に入って来ています。
元老、西園寺(さいおんじ)公望(きんもち)は若い頃、フランス留学した際に共産主義思想に触れたという話が有り、彼の孫、西園寺(さいおんじ)公一(きんかず)は、共産主義者でした。
公一(きんかず)は、若い頃、ゾルゲ事件に連座し、老年になってから毛沢東思想にかぶれ、紅衛兵になっています。
 御座所の近くにいる堂上(どうじょう)公家(くげ)で、こうですから、大正時代の頃には広く薄く日本全体に共産主義思想に浸透していました。
 昭和初期、東北の農村の窮乏を憂いた青年将校達は、共産主義者であった北一輝に利用され、軍事クーデターを起こします。
後に有名な、226事件ですが、彼等が所属していた皇道派という親欧米反ソ反共の派閥が、事件を理由に大弾圧されます。
この事によって満州事変の拡大を食い止めた眞崎甚三郎大将は、事件の責任を問う形で、軍や政界から追い出され、変わって反米親ソ容共の統制派が勢力を拡大します。
 統制派の影響拡大で、回避できたはずの支那事変や、仏印進駐などが引き起こされ、後の大東亜戦争への道の一因となります。

 マブラヴ世界は2000年代になっても、明確な身分社会です。
また、515事件や226事件のような軍事クーデターが起きなかった歴史です。
そうすると、おそらく親ソ容共派の人士は軍の根深い所に居て跳梁(ちょうりょう)跋扈(ばっこ)しているのではないか。
 身分社会が薄まった戦後日本でも、親ソ派によるスパイ事件が大規模な物でも5件近く起きています。
金欲しさの為にスパイになる件もありますが、殆んどは思想的な物です。
劇中世界の時間軸に近い、1980年にも日本ではソ連GRUによる米軍機密情報の漏洩事件が起きています。
逮捕された日本人は自衛隊陸将補(帝国陸軍中将に相当)で、世間を騒がせました。

 以上のような経緯から、マサキの活躍を苦々しく思うグループが帝国内でなにか陰謀を企んでいるのではないかという話を書きました。

>アイリスディーナへの思い
マサキの感情を伝えるために、いささか重畳(ちょうじょう)になりますが、アイリスへの気持ちを表現しました。
一般的な小説ではあまり好ましい表現ではないと思いますが、恋愛小説や官能小説ではよくつかわれる手法なので、アイリスへの思いを繰り返し、表現しました。


今後の予定といたしましては、米国の研究者たちの交流を徐々に書いて行こうかと思っています。
次回以降の展開を楽しみにお待ちください。

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