『【シェアワールド】ユア・ブラッド・マインー魔鉄文明英雄譚ー』への感想
投稿者:海戦型
[2018年 07月 16日 12時 50分]
▼一言
ふと製鉄師の戦闘が分かりづら理由みたいなものを見つけた気がするので書いてみます。
無敵感がない。というか製鉄師が通常の現代兵装を圧倒する理由が書かれてないのが問題なのでは。
例えばラノベのインフィニット・ストラトスだとISは「戦闘機より速く空を飛べて、戦艦の主砲やミサイルが直撃しても撃墜出来ず、操縦が容易なパワードスーツ」という非常に分かりやすい隔絶した力を説明しているからIS至上世界が成立しています。Fateでも原則は「生身の人間と英霊じゃ素のスペックからして隔絶してる」から英霊が強いという事実を押し付けることが出来ると思うんです。
「防御壁」って設定で書かれてるけど、その防御壁ってどれぐらいの間張れてどの程度強度があるのかの説明の有無で、全然価値が変わってきます。
もしこれが製鉄師のお手軽ガードでポンポン使えて、なおかつ戦車砲を豆鉄砲みたいに弾ける硬度って書いてあったら戦力の対比が簡単に頭の中で描けます。軍隊が包囲してものすごい波状攻撃を仕掛けていても平気な顔で凌げる。こりゃ世界も変わるわ、と実感できます。
そのうえで、障壁を突破できるのは同じ製鉄師いかいない、とすればそれだけで「製鉄師VS製鉄師」という構図を余計な雑事を考える余地なく完成させることができます。逆に欠点が多くあれば、「製鉄師はクソ強いけど絶対生身では勝てない訳じゃない」という風にも解釈できます。
製鉄師たちの特別感を実感するには、そういう説明が必要なんじゃないかなと思いました。
ついでに。Twitter見たら製鉄師と魔女の関係を恋愛関係で繋げることをどうするか、みたいなことが書いてありました。もう解決してる問題なら次の話は無視して欲しいところですが、私としてはそこに疑問を挟む必要はないかなぁと思います。
製鉄師の素質がある人は世界が歪んで見える。それは自分にしか認識できず、他人には決して共感されることはない。だけど魔女だけはそのイメージを齟齬なく受け止め、そして受け入れることでパートナーとなれる。だったら魔女は製鉄師の唯一の本当の理解者でしょ。そりゃ恋にも落ちると思いません?(なんか解釈間違ってたらごめんなさい)
あとすごい今更な質問ですドヴェルグが武器を作れば彼らは早く老化するというのは、老けるだけで体は結構強いまま、とかじゃなくてやっぱり老衰死する老け方なんでしょうか。
名前的には長生きしそうだけど、老衰死に近づくんなら正直あんまり武器作らせたくないです。作者が自分の作ったキャラの命を削らなきゃいけないのは、個人的には辛いものがあります。
製鉄師の世界が歪んで見えるというアレは、魔女と同じく魔鉄発見とともに発生してるんですか?それとも実は魔鉄云々以前から精神疾患みたいな扱いで存在してたんですか?
追記:
これまた余計なお世話なら申し訳ないんですが、ブラッドスミスと魔女の恋愛関係について。
重要なのはこのシェアワールドの主軸となる部分が「魔女といちゃいちゃ」であるという前提です。であるならば別にユアブラ世界の全部の魔女とブラッドスミスが相思相愛になる必要性はないですよね。また、恋愛に確たる理由などそもそもあったもんじゃない以上、魔女→ブラッドスミスの理由付けなんて追加の設定でもないと不毛でしかありません。
極端な話、いちゃいちゃさせたいキャラをいちゃいちゃさせられればいいのだから、恋に落ちる過程は世界観じゃなくて作者側が用意すればいいもので、八代明日華さんが頭を悩ませるのはちょっと違うかなと思います。
あと、理由付けとして何か説得力が必要なら、いろいろやりようはあります。
たとえばブラッドスミスと魔女は原則二人で一組なので、長く一緒に過ごしていれば互いに気が許せるようになりカップルが成立しやすくなるというのは現実的な職業でもありえます。仕事上の秘密なんかも共有するし、共に戦う以上は互いにある程度互いを知っていた方がいいですよね。いちゃいちゃという方向性と少し趣が違うとは思いますが、おかしくはないと思います。
また、かの有名なゼロ魔における使い魔システムのように、恋愛は別として「根本的には相性がいいから採掘が可能」といった運命めいたものもアリかと思います。その辺はデメリットとのかみ合わせが難しいかもしれませんが、そういう考え方もあるくらいに思ってください。愛の絆が強いほど鉄脈術のパワーがアップするとかそんな設定があると、自然と作品の雰囲気と恋愛に密接な関係が生まれます。重要なのは空気感だと思います。
繰り返しになりますが、魔女→ブラッドスミスでもブラッドスミス→魔女でも理由や過程を考えるのは根本的には作者側です。そこを疑ってしまうと「恋愛マンガで恋愛に落ちるカップルっておかしくね?」みたいなよくわからない矛盾に陥ってしまうと思います。
恋愛の説得力は、作者側の自由裁量としてある程度は残ってないと困る所です。
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