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『ソードアート・オンライン‐黒の幻影‐』への感想

投稿者:turugiken
[2016年 01月 23日 13時 19分]

▼一言
 二章まで読みましたので、その分の感想を。

 ティルネルと《手鏡》の仕掛けには唸らされました。まさかそんな方法で現実の死を回避し、ゲームにも復活を遂げるとは。茅場も苦笑いしているかもしれないですね。
 ただ、コレは一度きりしかできないことですね。クーネ以外ではできそうにない。タイミングがシビアすぎるのも問題ですが、それ以上にシステム側からパッチが当てられて封じられる可能性が高い。システムの間隙をぬったシステム外スキルである以上防ぐことは難しいかも知れないですが、茅場がチュートリアルで宣言したルールに抵触する行いでもあるので見過ごされることがなさそう。何とかされてしまう。
 例えばですが、こんな方法を妄想しました。今回はティルネルに手鏡を使うことで、彼女の中で保管されていたクーネが分離しプレイヤーへと帰還することができた。のですが、この分離がされずティルネルがそのままクーネの外観と精神に変わってしまうこと。つまり、ティルネルを乗っ取り自分に塗り替える。テイムモンスターにカテゴリーされること、プレイヤーアカウントは喪失してしまうこと、ゲーム世界上での復活は許されること。ゲームクリアが成され仮想世界全てが消去される時、同時に自分も消される。ほかに乗っ取るNPCも消える。プレイヤーアカウント=帰りの切符が喪失しているので、システムはその人物を現実へとログアウトさせない。ゲームクリアまで現実の死が留保されているだけ。こんな方法を考えました。……僅かに希望を持たせて、最後にはすべてを奪い取る。デス・ゲームであることを忘れて、この方法で何度も復活を遂げようとするプレイヤーたちに報復を与える。茅場なら魔王らしく、このようなサプライズをしてくれるのではないかと。


▼返信
投稿者: sonas
[2016年 01月 23日 (日) 18時 37分 51秒]

 おお、これは中々鋭い考察ですね。

 まさに仰るとおり、この復活手段は一度しか行使できない奇跡の産物なんです。そして、ご指摘にありますようにタイミングが結構エグいので、むしろこの復活方法を流出させてしまうと《死》へのハードルが下がってしまい、『試してみたけれど生き返れなかった』なんてことが頻発してしまうと、それこそデスゲーム的にマズいですよね。そして二章をご覧の通り、クーネは復活するまで意識を表層に出せなかったので、運良く再ログインが叶ったとして、うっかりモンスターにプレイヤーデータが収まってしまえば、他のプレイヤーのレベリングで狩られてしまって………なんてことになったら笑い話では済まないですよね。ですからこの件はクーネと燐ちゃんが機密保持しています。広まるとマジでヤバいんで………
 ちなみにヒースクリフへの自分の見解ですが、原作でヒースクリフの一撃からキリトを守ったアスナの《システムを乗り越えた意志力》というものについては、それ自体の存在を認めようとしないのではなく、むしろキリトのそれを含めて評価しているところも見受けられるので、意外と寛容なのでしょう。ですから、このイレギュラーは恐らく修正も報復もされないでしょうが、このネタはもう一度使うと二番煎じなので、SONASさんの都合上もう使えないのです。

 そして、ツルギさんの妄想(?)ですが、実はこれボツストーリーのネタにニアミスしてるんですよね。
 エルフのアバターでありながら中身はプレイヤーの少女と、チーム燐ちゃんが出会って、自分を一度死に追いやったPKを追い詰める。というのが本来の二章の流れでしたが、この流れだと《レイ達に救済策が無かった》ことがあって大幅改訂した次第となります。要は《手鏡》を使う前からツルギさんの仰る状態にあったというものでしょうか。

 ただ、二章は一歩間違えれば結構鬱ストーリーになっていたかもしれない可能性を孕んでいるんですよね。もし燐ちゃんがティルネルさんに会わなかったら、下手すればレイ達に狩られていたかも知れないですしね。ある意味で鎧武みたいな後味の悪さが残りそうですが、この作品では可能な限り後味スッキリを目指します。


 ここまで深い感想を頂けると作者冥利に尽きますが、現状ではこれ以上のギミックはこれからは登場しないと思います。ネタが閃けば話は別なのですが………


 では、最後になりましたが、これからも黒の幻影をよろしくお願いします。




 ではまたノシ

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