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『外伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)』への感想

投稿者:tukiyomi
[2015年 10月 04日 00時 54分]

▼一言
更新お疲れ様です。

ココアさんの祝辞を読んでみると、これ政治的にも良く考えられている文章ですわ。
一歩間違うと「厭戦気分を助長するのか」と言われかねない内容なのですが、「帝国は戦争を有利に進めている」「不満が溜まっていることを政府は理解し、それを解消するべく努力をしている」「武勲欲しさの戦なんぞもってのほか」と、現状の厳しさを言いながらも、政府の努力をきちんと説明し、更に「武勲に目がくらむ士官を抑える」という、軍の規律維持という面を強調していますし。
なのでリヒテンラーデにしてみたら、自分への格好の援護射撃なんですよねえ。
皇帝が祝辞を褒めた事で、事実上国政改革を行う上でのお墨付きを得た訳ですから。

しかしここまでくると、ココアさんへの信頼や敬愛の念が強くなる一方で、ラインハルトに対する評価が地の底まで落ちるような。
武勲欲しさに出兵したはいいけれども、何の戦果も挙げられないばかりか、イゼルローン維持はココア、自身の壊滅を防いだのはゼークトと、全く良いところがありませんでしたし。
当てつけかと激怒しても、周囲の将兵からは「姉のお蔭で出世しただけの若造が何偉そうにしてやがるんだ。そもそもお前が使えないから、ヴァレンシュタイン中将が自分の経歴棒に振ってまで泥被ったんだろうが」と吐き捨てそうですし。

自由惑星同盟軍が健在である以上、内乱なんて起こすだけの余裕もないですし、少なくともラインハルトは時間切れで終わる可能性が高そうですねえ。
ただ、このままでいくと同盟と帝国は緩やかに衰退していって、フェザーンがいいように振る舞いそうですけど。




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