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『銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)』への感想

投稿者:tukiyomi
[2014年 10月 11日 23時 41分]

▼一言
更新お疲れさまです。

大敗ではありますが、正直この敗北の根本的要因は、エリヤの能力をはるかに超えたものですからねえ。むしろ最初から最後まで旗艦が危険を冒してまで前線に踏みとどまり続け、味方の撤退を支え続けたことを評価すべきであります。

ミュラーと比べてレンネンカンプが過小評価されていますが、ここら辺は仕方ない部分がありますねえ。何しろレンネンカンプはお世辞にも艦隊司令官として武勲に恵まれた訳ではありませんので。
もっともその実力は、ロイエンタールですら一目置くほどの物であるのですが。

それにしても、エリヤがメルカッツの発言を許可したのって、そりゃ確かに周囲は驚きますわな。
メルカッツの今の役職は『イゼルローン方面軍司令官顧問』
つまり、ヤンの1ブレーンでしかなく、彼に認められるのはあくまで「ヤンに対して助言をする事」程度であり、軍の指揮云々に直接的に発言するまでの権能は有していません。場合によっては越権行為を批判されてもおかしくないのですが、エリヤは即決で発言を許可しています。
イゼルローン方面軍の面々にしてみれば、メルカッツの行動をどう擁護しようかという心配をしていたでしょうが、案に相違してエリヤがメルカッツの行動を許可してしまいましたので、肩透かしにあったようなもんですわな。

しかし、メルカッツの発言をゆるし、更にメルカッツの助言を受け入れた場合、エリヤって、イゼルローン方面軍からも一目置かれるような気が。
用兵は確かにまずいですけれども、少なくとも責任感には不足していませんし、必要な物を確実に獲得でき、更にイゼルローンに対しても権威で押さえつけるようなことはせず、可能な限り顔を立てる。そして亡命者であっても、意見を聞く耳を持ち、必要であれば受け入れるのにも躊躇しない。自分の面子なんぞ二の次。

正直イゼルローンの士卒の面々にしてみれば「トリューニヒト派でおせっかい好きでなければ良い提督だよなあ」という評価になっている気が。
派閥に絡められている佐官級以上の面々だとまた違うでしょうが。




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