『銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)』への感想
投稿者:tukiyomi
[2014年 09月 17日 21時 53分]
▼一言
更新お疲れ様です。
案の定というか分艦隊司令官の半分が指揮官として信頼が置けないとは、流石に作戦行動に支障をきたしますわな。
苦境の突破を突破する回答がルドルフだというのは、何とも皮肉の利いた事ではありますが、しかしここまで見事に成果を上げるとなると、チームフィリップスの能力もさることながら、ルドルフの理論が時代を超えても通用する理論であった事の証明とも言えそうです。
しかし今回の作戦は、エリヤにとっては本当に薄氷の上を歩いている気分でしょうねえ。トリューニヒト派若手の俊英という立場であることから、様々な人間から鵜の目鷹の目で見られますし、反トリューニヒト派からは、失敗した瞬間バッシングを受ける可能性大ですから。若くして出世した分妬みもすごいでしょうし、多数の人間が認める働きをし続けなければそこで終わりというハードモード。
実際、戦隊指揮官を更迭していますけど、彼らを選んでいたのはエリヤですから、任命責任を問うというトラップがまかれていますし、直轄艦隊だけでなく、「艦隊全体を使っての勝利」を収めないと「あいつは所詮戦隊司令官か分艦隊司令官どまり」と
言われることになります。
まあ・・・海賊討伐戦を無事に終えても「トリューニヒトのお気に入りだから」「あいつは治安戦が専門なだけで正規艦隊との戦いは駄目だろう」と、言う奴が出てくるのがしんどい訳ですが。
帝国内戦は遂に終了。
何気にラインハルトは、同盟の侵攻戦でもですけど、その手を民衆の血で汚すことが避けられているんですよねえ。
辺境を中心にラインハルトへの人気は鰻上りでしょうし、ラインハルトも民衆を犠牲にしていないという点で、民衆へのアピールにもなりますし。
原作には存在が見られなかった政治的アドバイザーが傍らにでも付きましたかね。
それとリヒテンラーデ侯爵も露骨なまでの分離策を取っている訳ですが、キルヒアイスの武勲を考えると妥当な線であるのも事実なんですよねえ。
派閥が大きくなればなるほど、これまでは身内だからと腹を割って話し合えば簡単に済んだことでも、この話でも何度も出ている「派閥の長は派閥の子分の行く末に責任がある」ことと、「可能な限り派閥を構成している人間を公平満足させないといけない」があることから、上手くいかなくなるのも常な訳で。
ラインハルトも大変そうです。
ヤンとトリューニヒトの間柄は一触即発に。もうどちらも感情的に嫌っている以上、妥協の可能性は潰えたというべきでしょうかねえ。
しかし、ヤンがここまでイゼルローン方面軍を自派でかためまくればかためまくる程、ハイネセンにおけるヤンへの不信がとんでもないことになりそうです。
特にこの世界のヤンは、クーデター時の政治的対応のまずさと、残党掃討戦しか武功を立てていないので、トリューニヒト派が政治的な負い目のようなものを欠片も抱いていない分、純粋にヤンへの不信感を抱くことができますし。
エリヤにしてみれば「仲良くなれとは言わんが、どこかでか折り合いつけてくれ。振り回されるの俺らなんだよ」なんでしょうが、イゼルローンは起こさなくてもいい喧嘩を起こしたがる人種がちらほらいますからねえ。
投稿者:
甘蜜柑
[2014年 09月 21日 (日) 20時 21分 34秒]
何と言っても宇宙を取った人の理論ですから、参考に出来る部分は多いのでしょう。
上に登れば登るほど、足元は狭くなる。今のエリヤはそんな思いを味わってるところだと思います。転げ落ちなければ良いのですが。
民衆向けのラインハルトの行動は、「原作と同じ」という想定です。原作と同様にラインハルトは政治センスに優れているし、政治的なアドバイザーも原作と同様に付いています。最新更新分でラインハルトの政治アドバイザーの存在に少し触れます。
ナンバーツーはあと一歩でナンバーワン。元帥号一個でラインハルトと同格になるわけです。キルヒアイスは微妙なポジションにいました。
イゼルローンはあの路線で突っ走らなければ生き残れないでしょう。一歩でも妥協したら、あっという間にトリューニヒトにぐちゃぐちゃに引っ掻き回されてしまいますから。粛軍の対象になった部隊のように。
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