『銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)』への感想
投稿者:tukiyomi
[2014年 08月 30日 00時 28分]
▼一言
更新お疲れ様です。
ひとまず原作にあったような最悪の展開は免れましたか。
このまま推移すれば第11艦隊はほぼ無傷で維持できますし、アルテミスの首飾りも無事。帝国領侵攻作戦での被害も原作の3/4ですので、無理をすれば、ラグナロック作戦時には、原作よりも2個艦隊程は増えそうです。(まあ辺境総軍にも兵力を与えないといけませんので、正規艦隊戦力の拡張は限定的かもしれませんが)
取りあえず今回の一件で、エリヤが同盟を代表する将帥として内外からマークされたのは間違いないかと。
何しろ指揮系統がバラバラで且つ義勇兵部隊も多い集団を統率してのけ、可能な限り銃火を避けつつ、クーデター勢力を降伏に追い込んだのですから、まともな軍人であればある程、エリヤが達成したことがどんだけ軍事的に凄まじい事だったか理解できるでしょうし。
まあ経歴を見ると「2等兵からの叩き上げで歴戦の勇士」である訳ですから、兵卒の心情の機微をよく理解していることに納得されそうですが。
しかし今回の一件で得をしたのって、案外いないんですよねえ。
一見するとトリューニヒトですが、今回の軍クーデターにはトリューニヒト派と見られていた軍人も多数参加しており、本部長代理のドーソンも見事に騙されてしまったことは大きなマイナスになっています。
旧シトレ派はというと、彼らが陰日向に擁護していたグリーンヒル大将がクーデターを起こした事と、クーデター鎮圧に功績を挙げなかったことで、これも大きなマイナス。何しろヤン艦隊が政治的忠誠心を大きく疑われてしまっているということが、彼らの政治的権力の大幅な低下を物語っています。
旧ロボス派に至っては、クーデター参加と日和見によってもはや壊滅でしょうし。
また、帝国側の主導であった場合、早期解決によって内戦時での牽制という策が成り立たず、しかも戦力の低下も見込めない有様。
地球教位でしょうかねえ。今回の目立った勝者と言えるのは。保安警察グループもクーデター防止の名目で、戦後権力得そうですが。
さて、エリヤの地位ですが、これは要人解放までの一時的なものでしょう。
少なくともあの時点で命令系統をはっきりさせる必要があるための臨時的措置であり、それならば政治的忠誠心には疑いようがないエリヤを任命するのが、トリューニヒトにとっては安全な訳ですから。
なのでハイネセンの騒乱が終了した以上、本来の指揮系統に戻すでしょうが、宇宙艦隊司令長官代理は残すかもしれませんね。
何しろヤン艦隊の政治的忠誠心は疑われたままであり、ビュコック司令長官は絶対にヤンを擁護するでしょうから、トリューニヒトからすれば「反トリューニヒト派によるもみ消し」と見られかねませんし。
それなら、市民に絶大なまでの人気と実績を誇るエリヤに統括させようと考えたりもするかもしれません。
しかし・・・原作でもそうでしたが、軍事的思考能力では作中最強と言っていいヤンですが、ルール順守よりもフリーハンドを得ようとする欲求の方が強い悪癖のお蔭で、政治的には大いに損をしているとしか。
原作のヤン艦隊って、この手の独立心旺盛な高級士官が多くて(フィッシャーとムライ、キャゼルヌ、パトリチェフくらいですか。ルール順守な高級士官は)そりゃあ政治家たちは今一つ信用を置けないよなあと。(レベロですらヤンを最終的には信頼できなかった時点でねえ)
投稿者:
甘蜜柑
[2014年 08月 30日 (日) 05時 23分 12秒]
アムリッツァの生還者、捕虜交換で帰ってきた者も勘定に入れれば、使える戦力は原作よりだいぶ多くなります。
こうして列挙されると、エリヤは凄いですね。本人がこれを見たら腰を抜かしてしまいそうです。
今回の件で得を出来るか否かは、事後処理での立ち回り次第でしょう。もともと死に体のロボス派はともかく、大打撃を受けたトリューニヒト派も旧シトレ派も軍部政治の強者。ただでは転ばないはず。国家救済戦線派も健在です。
ビュコックとヤンはどうなることやら。帝国領遠征の三提督の権威がどこまで通用するかが鍵でしょう。
ヤン艦隊の強さは独立不羈の精神にあります。反骨精神の強い者、独立心の強い者は戦場向きなのです。ヤン艦隊の幹部は部下を掌握する能力が高く、必要な場面では協調できる(現実世界の高級軍人でこれができない人は結構多いのです)ので、部隊を切り回す上では癖の強い性格も問題になりません。強い部隊は危険な部隊です。
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