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『銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)』への感想

投稿者:tukiyomi
[2014年 08月 23日 00時 13分]

▼一言
更新お疲れ様です。

クリスチアン大佐とも戦うことになりますか。
まあ大佐にしてみれば、自分が目をかけていた兵卒が、一生懸命努力を怠らずに武勲と実績を積み重ねて、遂には自分を超える階級にまで上った訳ですから、感無量であることは確かですよねえ。
おまけに自分が以前掲げていた主張を体を張って守っている訳ですから、そりゃあ断られても悪い気はしないですし、むしろ「よくぞここまで成長した」と思っているでしょうねえ。

それにしてもクーデター派のエリヤへの評価は高いですね。
まあ副官としては超一流ですし、交渉相手としても誠実であり且つ意外と寝技も使ってくるようになりますので優秀。
事務処理能力も抜群ですし、戦術能力だけは平凡ですが、有能な参謀たちが補っていますので、指揮官としても及第点ですし。
クーデター派も、エリヤに憎悪を覚えている人間殆どいなくて「何であんないい奴がトリューニヒトの手駒なんだよ」なんでしょうねえ。

しかしジェシカの思惑はどうであれ、何とも下手を売ったなあと。
少なくともエリヤが首都郊外で頑張っている以上、接触を図る位のことはするべきなのですが、トリューニヒト派であることが頑なにさせてしまったのか。
まあエリヤが得点入れましたので、首都内でデモを成功させれば更にそれを上回る得点が達成できると思ったのか、いまだ不明ではありますが。

それにしても、クーデター派の論理って、何気にヤンと親和性が高いんですよねえ。
民主共和政の理念を除けば、ヤンも賛同している「軍人が政府の掣肘なく軍事戦略や戦術を試せる」ことを主眼にしている訳ですから。
民主主義の軍人でありながら、民主主義体制下の軍人とは何かというのをまるで理解していないとしか言えないですね。


▼返信
投稿者: 甘蜜柑
[2014年 08月 24日 (日) 01時 57分 17秒]

 エリヤはある種の人間以外には、好かれるタイプなんですよ。実績もありますしね。

 本文中で義勇軍幹部が考察したように、ジェシカがトリューニヒト派に協調的な姿勢を見せたら、支持者は離反します。ジェシカは政治家です。本作中の政治家は、現実世界の政治家と同様に支持者の顔色を見て動きます。思考は現実的でも表面にあらわれる行動が教条的になってしまうというのも政治家には良くあること。

 グリーンヒル大将やルグランジュ中将が参加していることがクーデター派の性格を表していると思います。軍の政治的中立、軍部への政治介入拒否って、創作ではリベラルな軍人の思想ですよね。しかし、現実世界ではむしろ反民主主義的な軍人が信奉する思想です。

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