『亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)』への感想
投稿者:タイタン
[2014年 06月 09日 21時 12分]
▼一言
うーん。実のところヤンが何の勝算も無しに論戦を挑む都は思えない。ヤンの得意技は相手に自分の首を取れる絶好の機会と思わせ自分の首を取らせに掛からせつつ、目に見えない罠に相手を陥れて相手を嵌めるのがヤンの基本戦術なんだよなあ。ヤンは戦術家としてはとんでもないギャンブラーであり悪辣極まる謀略家の顔を持っている。その謀略家の顔は自分より立場が上の自国の政治家や軍高官に対しては容赦を知らない。その際たる犠牲者はリンチだ!
ヤンはリンチや幕僚達が自分や民衆を見捨てるつもりでいるのを気付くと、そのリンチとリンチに従って行動したエルファシル警備隊の大半を容赦なく囮に使った。しかも自分達がエルファシルを脱出する際、態と自分達を見付けさせるとんでもなリスキーが高い策を用いて。
ヤンは帝国よりも自国の政治家や権力者に対して義眼級の謀略家になれるんだ。そのヤンが謀略を嫌悪する背景にはエルファシルでやり過ぎた苦い思いが、ヤンのトラウマと戒めに為ったとしても不思議ではない。
ヴァレンシュタインはヤンの首を取れる機会とヤンの理想主義と民主共和制否定で喰って掛かっているが、実際は目に見えない罠に嵌められてはいるのではないか?
しかも同盟で最高権力の一角占めている者が、民主共和制主義否定と同盟市民を愚民と断言するのは余りにも危険過ぎるのをヴァレンシュタインは気付いていないだろう。
ヴァレンシュタインの本音と本心が外部にバレたら、間違いなくトリューニヒト政権は瓦解する。無論マスコミも捕虜交換と歴史的首脳会談を目撃しようと多数群れを為して付いて来ているよな?マスコミ好きのトリューニヒトが連れて来ていないはずがない。そのマスコミと同盟軍三個艦隊全将兵に筒抜けに為っているとしたらどうなる?
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