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『銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)』への感想

投稿者:不来庵
[2014年 06月 09日 08時 19分]

▼良い点
結局、エリヤ君はフォークに引導渡しちゃいましたか……

さて、帝国軍襲来までに撤退が間に合うのか。

▼一言
いや、疾風ウォルフの艦隊運用など、すでにアムリッツア会戦当時、速度においては同盟軍を凌駕しているわけで……
おそらく運用術について、ある種の軍事革命(ナポレオンの三兵戦術みたいな)がラインハルトやミッターマイヤーにより成し遂げられていたと考えた方が。

例えば、封建制を旨とする帝国軍では通信回線の数が同盟の数分の一に抑えられていても不思議ではありません(まともなデータリンクは指揮系統上の1つ上位の艦とだけしか張られていなくて、あとは音声回線だけとか。アニメ「叛乱者」でも、ラインハルトの乗艦ハーメルンIIが僚艦の撃沈を音声回線の途絶で確認しているような描写がありました(通信妨害もあるでしょうから一概には言えませんが))。
また、銀英伝世界での艦隊戦闘は正直ナポレオン時代(無線機皆無)かい!と言いたくなるくらい硬直した陣形(ほぼ目視可能距離に数百隻が固まる)を構成していますから(であればこそ、原作ホーランド艦隊の芸術的艦隊運用に帝国軍が翻弄されるわけで……)、艦同士の通信が戦闘に果たす比重はかなり低い(正直、信号兵が目視で確認する発光信号か、懐かしの信号旗で充分なレベル)ように思われます。

これが同一部隊(駆逐隊などの最小単位)を構成する各艦レベルで相互にデータリンクして、かつ指揮系統上の上位艦各艦ともリンクするようになれば、D線上のワルツを楽々踊れる程ではなくとも、同盟と互角の運用速度が実現できる……なんてこともあり得るわけで。

対して同盟は、ヤン艦隊の一点集中砲火をヤンが臨時に指揮した艦隊でもすぐに実現可能なところから推して、任意の艦同士で火器管制装置のリンクが随時可能なレベルでデータリンクが行われていると考えられます。

無論これは小生個人の解釈であり、これが銀英伝世界の真実だと主張するつもりはありませんが、こういった「現在用意できる装備を用いたちょっとした改装と、理念を十分理解した高級指揮官による訓練」があれば比較的短時日で実現可能な軍事改革(平均すれば同盟と同レベルの艦隊運用が出来ればよいだけ)も想定できそうでは……



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