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『亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)』への感想

投稿者:タイタン
[2014年 06月 08日 10時 22分]

▼一言
だがヴァレンシュタインの方もヤンを巻き込み過ぎだな。
同盟内で自分の身の安全確保と、一定の立場を築くまではヤンの民主共和主義思想と理想主義を馬鹿にしていながらヤンの名声と軍事的才能を利用していたのだから。
ヤンを利用するのなら利用するで、ヤンとの関係を徹底的に割り切るか必要がない時以外はヤンをトコトン無視すべきだったのだ。
しかも自分が権力者となり、ヤンは自分が飼い慣らせない存在だと気付いてからヤンの排除に乗り出してもなんだかなあと言う部分もある。
増してや不仲説が出始めてからの排除だし!
色々と憶測も飛び交うだろう。ヤンを同盟から排除や追放に乗り出せば、彼方此方の反ヴァレンシュタイン派や反帝国派が黙っていない。必ず激発する者達が出る。増してや和平交渉の場で、ゴールデンバウム皇家との政略結婚話しがでれば尚の事大騒ぎになる。
同盟人からしたらヤンは理想的な民主共和制主義国家の軍人そのものだ。エルファシル奇跡の脱出劇の英雄、ハイネセン解放の英雄、汚職や腐敗とは無縁で清廉潔白、政治に関して絶対中立とね。そのヤンを同盟から排除ないし追放するのは余りにもヴァレンシュタインに取ってリスキーだと言わざるをえない。
ヴァレンシュタインの致命的な失敗は、ヤンをトコトン無視するか関係を割り切る事が出来なかった事だよ。ヤンを自分に取って危険な存在にしたのは他ならぬヴァレンシュタイン本人、それに気付かないでいるヴァレンシュタインを哀れに思うがね。
もし本当にヤンを同盟から排除追放するのなら、今度こそ本当に冷酷無慈悲な独裁者になるしかない。



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