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『亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)』への感想

投稿者:tukiyomi
[2014年 06月 07日 22時 37分]

▼一言
更新お疲れ様です。

これもうヤンにとっては回復不可能な打撃じゃないでしょうか。
「お前の言っていることは結局お前の嗜好の問題であって、単にそれを理論武装しただけにすぎないんだよ」と突きつけられたわけですから。
しかし、ココアさんに対する不信感については、「そもそもココアさんを人間不信にさせた原因はなんだったよ?」と突っ込みたくなりますね。
以前も書きましたが、この作品におけるヤンの最悪な所は、主人公が手を伸ばしているのにそれを無視し、にも拘らず他者に対しては、あれこれ言い訳をつけて「そんなつもりはなかった」と取り繕う所なんですよね。
人間ですので個人のウマが合うあわないはありますし、ココアさんが手を差し伸べたとしても、ヤンがそれを握り返す必然性などないのですが、ここら辺の彼の言動が全くと言っていいほど首尾一貫しておらず、だからこそワイドボーンが度々ヤンを一喝したのですけど、ヤンはそれを全くと言っていいほど聞くつもりがない。

ここまでくると、ヤンの置かれる立場って非常に不安定になりかねないんですよねえ。ココアさんと不仲(しかも一方的にヤンがココアさんを嫌っている状況)であるということで、大抵の人はココアさんたちから睨まれたくないためにヤンから距離を取ろうとしますし、逆にココアさんを嫌っている派閥からは、神輿としてヤンを利用しようとする可能性が出てくる。
そして原作でもそうでしたが、ヤンは自分の発言や行動が「政治的にどう捉えられる」かという点について、全くと言っていいほど無頓着。

これまではシトレが陰日向に庇ってきましたけど、シトレが退役したら、このままだと本気で拙いんじゃないでしょうかねえ。
後ろ盾になれるのが、人望はあるけど政治能力のないビュコック位ですし、他の提督たちにしても、ココアさんと本気で対抗しようと考える人間がいるかといえばいないでしょうしねえ。(モートンやカールセンのように、ココアさんの推挙で艦隊司令官になった人間に至っては明確にココア閥でしょうし)



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