『銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)』への感想
投稿者:[非会員]の感想
[2014年 05月 11日 07時 43分]
▼一言
すみません。前回の感想でちゃんと伝わっていない気がしたので
>「結果として失敗した」というだけの結果から、同盟のプロ軍人たちを欺くような謀略の存在に気がつけるとしたら、それは超能力者ですね。エリヤはそうではありません。
えーっとですね、ご自分が時間を遡ったとして、事故があった場所に近づけば注意をしませんか?
エリヤの場合で言うなら、知っている歴史では大敗に終わった作戦ですよね?
それならば、この作戦は歴史通りのものなのか、それとも自分の参加で変わったものなのか
歴史通り失敗するものなのか、歴史と異なり成功するものなのか
悩みませんか?
そういう葛藤が見えず、何千万人も死ぬかもしれない作戦の前に
フォークの無事ばかり考えているように見えるのが非常に不自然に見えますし、
友達以外の何千万人が死のうと興味がない奴にエリヤが見えちゃうんですけど。
>>自分の能力に自信がないなら、
>>大賢者たるヤンにシェーンコップ経由、キャゼルヌ経由などで
>>対応を相談すればいいのにと思うのですが。
>「私の前世知識ではこの戦いはこういう展開になって負けます」とでも言って相談するんですか?
フォークの作戦が、歴史通り隠されている前提でお話しているんですが、
どうにかしてヤンと会い、フォークの作戦の裏まで話して意見を聞くこともできませんか?
イゼルローン攻略でヤンにも謀略網があったとしているなら、
事情を話せばヤンは検証、対応は可能ですよね?
歴史を知っている人間なら、ヤンは派閥に興味はなく、
利用される危険も少ない同盟一の知将であることも明らかですよね。
エリヤ准将がヤン中将に面会を求めることさえできませんか?
まあ、ヤンなら断る可能性も十分ありますが。
そういう知識を全く利用しないのが、不自然に見えるんですが。
>逆行したら歴史を変えないといけないんですか?私には理解できない考えです。前より頑張ってより良い人生を生きようと考えるものと私は思いますが。国が滅んだら自分が不幸になるわけでも、国が保てたら自分が幸福になるわけでもないでしょうに。
彼が幸せな人生を送り、同盟が無事であったら、変える必要はないですよ。
でも、彼が乗っているのは沈む船ですよね。
沈む船に乗っているのに、運命を変えようとしない方が不思議なんですが。
彼がフェザーンに所属しているなら、同盟の運命なんか知ったこっちゃないでしょうが。
軍人なら友達も沢山軍にいるでしょうに。
それとも、エリヤは歴史のトリューニヒトと同じ、自分の為に国を国や仲間を裏切っても自分だけ幸せならいいという人なんでしょうか?
投稿者:
甘蜜柑
[2014年 05月 13日 (日) 09時 11分 07秒]
>えーっとですね、ご自分が時間を遡ったとして、事故があった場所に近づけば注意をしませんか?
自分自身の人生が大きく変わっていて、以前の歴史に存在しない事件が発生し、以前の歴史では見えない事情を知っている現時点で、「前に起きた事故がそのまま起きる」と考えるのは難しいと思います。
>エリヤの場合で言うなら、知っている歴史では大敗に終わった作戦ですよね?
>それならば、この作戦は歴史通りのものなのか、それとも自分の参加で変わったものなのか
>歴史通り失敗するものなのか、歴史と異なり成功するものなのか
>悩みませんか?
前の歴史の作戦が馬鹿げた作戦だったことを知っていたエリヤは、フォークの病みっぷりに愕然として、彼が狂ってる可能性を恐れて作戦案のファイルに目を通しませんでしたよね。しかし、いざ目を通したら、プロが納得するレベルの成算はあると判断しましたよね。
十分葛藤していると思います。
>そういう葛藤が見えず、何千万人も死ぬかもしれない作戦の前に
>フォークの無事ばかり考えているように見えるのが非常に不自然に見えますし、
>友達以外の何千万人が死のうと興味がない奴にエリヤが見えちゃうんですけど。
エリヤは作戦案を見た時点で、何千万人も死ぬような愚策ではないと判断しました。その上で軍部の秩序を乱す行為に加担すべきでないと説きました。本文中でそのように描写したはずですが。
せめて、エリヤがいけると判断しているという部分を踏まえて読んでいただきたかったと思います。
>フォークの作戦が、歴史通り隠されている前提でお話しているんですが、
エリヤは作戦案の概要を読んで、いけると判断していますよ。
>どうにかしてヤンと会い、フォークの作戦の裏まで話して意見を聞くこともできませんか?
親友から持ちかけられた内密の話を、面識はあるけど十年近く会話がない人物、しかも対立派閥の有力者に持ちかける。そんな行動をする人がどこにいますか。有能な人材に正しいことを教えれば、意図が正しく伝わって、何のわだかまりもなく事が運ぶ世界ではないということを念入りに描写してきたつもりでした。
それが七十話以上かけても伝わっていなかった。正しい答えと能力値の高い人材が組み合わされば解決できるような単純な世界を描写していると思われてしまったのは、まったくもって私の無能のいたすところと深く悔いるところです。
>イゼルローン攻略でヤンにも謀略網があったとしているなら、
情報参謀の仕事については、本文をお読みください。あくまで部隊のための情報網です。今回のような国を上げた大作戦には対応できません。
>事情を話せばヤンは検証、対応は可能ですよね?
事情を話せる間柄ではないし、ヤンでは検証も対応もできません。そもそも、エリヤとヤンは秘密を共有できる間柄ではありません。
>歴史を知っている人間なら、ヤンは派閥に興味はなく、
>利用される危険も少ない同盟一の知将であることも明らかですよね。
歴史を知っている人なら、ヤンが同盟の主戦派、とりわけトリューニヒト一派を嫌悪していたことは誰でも知っていますよね。そして、ヤンはトリューニヒトの政敵シトレの愛弟子、先輩のキャゼルヌもシトレ直系。派閥色が強烈な人物だと考えるのが自然ではないでしょうか。
今の人生においても、ヤンの派閥色が強い行動は、第六次イゼルローンにおけるフォークの愚痴の中に示されています。エリヤはトリューニヒト一派で主戦派に属しているというのは、物語中で再三描写しています。
>エリヤ准将がヤン中将に面会を求めることさえできませんか?
>まあ、ヤンなら断る可能性も十分ありますが。
できませんし、そもそもそういう発想ができないレベルに疎遠です。
>そういう知識を全く利用しないのが、不自然に見えるんですが。
私には、未来知識という根拠を示せないものを使うために、人間関係をぶっちぎれる行動をする方が不自然に見えますね。
>彼が幸せな人生を送り、同盟が無事であったら、変える必要はないですよ。
現時点ではそうです。
>でも、彼が乗っているのは沈む船ですよね。
沈む船って勝手に決めつけないでください。
>沈む船に乗っているのに、運命を変えようとしない方が不思議なんですが。
今の彼から見れば、同盟は沈む船ではありません。そして、国家の運命と彼の運命は同一のものでもありません。彼が変えようとする運命は、どんな時でも自分の運命です。本文中で再三描写したとおり、凡人である彼の視野は任された目の前の仕事を全うする以上の広がりはありません。
>彼がフェザーンに所属しているなら、同盟の運命なんか知ったこっちゃないでしょうが。
>軍人なら友達も沢山軍にいるでしょうに。
>それとも、エリヤは歴史のトリューニヒトと同じ、自分の為に国を国や仲間を裏切っても自分だけ幸せならいいという人なんでしょうか?
彼は目の前の仕事を一生懸命やって、目の前の人と仲良くできればいいという人です。同盟の運命には視野が及びません。「視野が及ばない=どうなってもいい」ではありません。国家の運命と自分の運命を対比させる視点すら持っていません。自分の狭い視野の範囲が平穏であること、面倒な自体に陥ったら、”完全に”目の前の事態にのみ対処しようとする。そんな人物であることを七十話以上かけて描写してきました。
どれほど本文中で描写を重ねても、キャラクターの人物像を伝えきれずに、こんな場所で長文を書き連ねざるを得ない。そんな自分の筆力の低さに絶望を感じます。
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