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『銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)』への感想

投稿者:tukiyomi
[2014年 05月 11日 00時 15分]

▼一言
更新お疲れさまです。

帝国領出兵決定ですか。
フォークは単なる鉄砲玉で、シナリオを描いているのがアルバネーゼとロボス。
そりゃまあ、1准将のスタンドプレーで史上空前の大作戦が認可されるなんてありえないですからねえ。
この件で一番やりきれないのは、仮にエリヤがフォークにトカゲのしっぽであること言っても、フォークはロボスを見限るどころかその役割を受け入れる可能性が高い事なんですよねえ。

ヤンの政治力云々については、多分平行線になると思いますので割愛します。

焦土作戦については、まともな感性持っていれば実現は低いと判断しますよね。
軍事的には敵軍の補給能力に大打撃を与えますが、政治的には焦土作戦行われた地域の大反発受けますし、中央政府に対する信頼性を失墜する大悪手ですから。
軍事的戦術にしか視点のなかったラインハルトと、短期的な結果にしか目が向かなかったオーベルシュタインの組み合わせなんて想像しろというのが無茶です。

一流の謀略家は信義を重んじるという点については同意。
疑われて話すら聞いてもらえなくなってしまえば、謀略のかけようがない訳ですから。実の所、オーベルシュタインはその点でも謀略家としては向いていないです。(彼の事大嫌いなビッテンフェルトは「私心がないことは認める」としていますが同時に「あまりにも猜疑心が強すぎる」と、実に的確な評価しています)
正直、オーベルシュタインは、軍政畑に関しては当時でも超一流の将帥ですし、軍令家としても参謀として的確に動いている(バーミリオンについては、彼以上に戦術的能力に優れているラインハルトがいますので、参謀として現状の可能性を示唆する役割に徹するのは間違っていないです)のですが、国家戦略及び謀略に関してはどうにもならない位センスがないですから。

で・・・「内応を戦略に組み込むのは常道」という事なんですけど、別に内応策については誰も否定していないと思いますよ。
この戦略で問題視されているのは「内応したカストロプ派が正規艦隊を首都星系で拘束することに成功する」のが前提条件になっているという点です。
仮に彼らが確実に内応したとしても、拘束出来なかった時点で戦略が破綻するという危うさから「投機的」という評価を受けている訳なんですが。
せめて「確実に正規艦隊を拘束できる方策」を示していればまた違った反応になるかもしれないですが、まあ「ミュッケンベルガーの9個艦隊にも、ラインハルトの9個艦隊にも勝つのは困難」と判断している時点で「防衛戦略しか策がないじゃないか」という結末に至ってしまうんですよねえ。

最後にトリューニヒトの慨嘆をエリヤは理解できましたが、ヤンは永遠に理解できないんだろうなあと。
ヤンの場合「正しい答えがわかっていれば、正しい選択ができる。正しい答えを人に伝えれば、人は正しい選択をしてくれる。」が根幹にある訳ですから。
仮にこの場にいても「それでもやるべきです」と言ってのけ、受け入れなければ「これだから政治家は駄目なんだ」と、政治家に全責任を負わせようとするのがヤンクオリティですからねえ。


▼返信
投稿者: 甘蜜柑
[2014年 05月 13日 (日) 08時 18分 55秒]

一参謀の暴走であれほどの作戦ができるとも思えないんですよね。選挙対策があるとはいっても、政治家だって馬鹿ではありません。相応の保証がない提案には乗れないでしょう。政権首脳達が乗ってもいいと思えるような大物のバックと必要と考えました。

案を呼んだ人は確実に拘束できると思えるような案であると判断してください。

帝国の軍事力の性質に関しましては、二話か三話後ぐらいに扱う予定でした。数話掛けて、未来を知らない複数の視点からの出兵案の長所と短所を分析させるつもりでした。当時の人間が抱いた期待と疑念を描くつもりでした。”つもりでした”と言わざるをえない気持ちに傾いているのが残念です。

ヤンは強すぎるのです。他人の弱さ、汚さを許せない。それが彼が頂点に立ちえない理由でしょう。

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